岩城宏之&OEK ブラームス交響曲第2番ニ長調



さて週末金曜日。あすから三連休という気安さもあって心身共に弛緩。あてもなく音盤棚を見回して、こんな盤を取り出した。


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岩城宏之とオーケストラアンサンブル金沢(OEK)によるブラームス第2交響曲ニ長調。2004年OEKの本拠地、JR金沢駅に隣接する石川県立音楽堂でのライヴ録音。十年程前、仕事で金沢を訪れた際、地元老舗レコード店「山蓄」(ヤマチク。その後廃業)で買い求めた。

良くも悪くも中編成OEKの特質がよく現れた演奏だ。このCDをプレイヤーにセットしながら、中編成だからやや速めのテンポと短めのフレージングで進むのかと思っていたのだが、音が出てきて意外にもフル編成の典型的速度設定とそう変らないテンポだと気付いた。そのためか、響きの薄さが時に気になる。岩城宏之がその音響特性を絶賛していた石川県立音楽堂。ぼくもこのホールでのOEKの演奏を一度経験している。会場では十分豊かに響いているのだが、ぼくのオーディオセットでこの録音で聴くと思いのほか音が細く聴える。

第1楽章前半は弦楽群の音が何となく遠慮がちで精彩を欠く。音程、アンサンブル共にピリッとしない。深夜のヘッドフォンリスニングだと、細かいところまでよく聴こえてくるので、なお更よく分かってしまう。第1楽章の後半になって、ホルンが冴えたソロを取ったあたりからようやく音楽は活気を帯びてくる。第2楽章は冒頭から弦楽群が積極的に歌い、オケ全体の響きもずっと豊かになってくる。第3、4楽章とも、ことさら中編成を意識したところはなく、正統的な解釈とテンポで曲は進む。終楽章のコーダも、よくあるような煽るような演奏ではなく、テンポ不変のまま堂々と進んで大団円となる。


手持ちの盤からアップ。第1楽章


同 第2楽章



2006年6月に亡くなった岩城宏之。70年代初頭からN響を振る指揮姿をテレビで眺めてきたぼくにとっては特別な存在だった。バブル期に誕生したOEK。岩城宏之はその創設に当初から関わった。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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