ブラームス ピアノ三重奏曲集



初夏を思わせる日が何日か続いたあと一転、冷たい雨の週末をなった。どんよりとした雲が垂れ込めると、途端に物憂い様子になる。 さて、週末日曜日。珍しく朝の時間がゆっくり出来たので、久しぶりにこんな盤を取り出した。


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スーク・トリオ(ヤン・パネンカ、ヨゼフ・スーク、ヨゼフ・フッフロ)の弾くブラームスのピアノ三重奏曲集。全3曲とホルン三重奏曲の2枚組。お馴染みの日本コロンビア・クレスト1000シリーズ中の一枚。日本発のデジタル録音黎明期1976年にDENONのスタッフがプラハまで赴いて録音された。音質すこぶる良好。やや近めの音像で三つの楽器が極めてクリアに録られていて、フレーズのちょっとした切り替えで曲の雰囲気が一変するようなところが細大漏らさず聴き取れる。こういう録音を聴くと、録音の良し悪しや再生装置の能力とセッティングが音楽そのものから受ける感動に大きく影響することを実感する。

さて、ブラームスのピアノ三重奏曲…星の数ほどある室内楽作品の中でももっとも素晴らしいものの一つだろう。若い時期に書かれた第1番ロ長調作品8でさえも若さ故の浅さはまったく感じない。第1楽章なども若々しい第1主題と穏やかで渋い第2主題の対比が素晴らしく、あぁブラームスだと実感する。第2番の第2楽章・変奏曲なども聴くほどに脳内モルヒネがジワジワとわいてきて、しみじみと音楽を聴く喜びが満ちてくる。第3番はブラームス50歳を過ぎた時期の作品。ハ短調という調性の性格もあって第1番、第2番に比べより深く、充実している。

スーク・トリオは確か80年代初頭に来日したとき実演に接した。ベートーヴェンの「街の歌」とチャイコフスキーのトリオだった。ピアノ三重奏という形式の闊達で緊張に満ちた音楽に感動した記憶がある。この盤は併録されているホルン三重奏曲も含めて渋いブラームスの室内楽とピアノトリオの素晴らしさを堪能出来る名盤だ。


手持ちの盤からアップ。第1番 ロ長調 第1楽章


同 第2番ハ長調 第1楽章


同 第2番ハ長調 第2楽章



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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