バッハ「コーヒーカンタータ」BWV211



月があらたまって令和四年水無月。変わらず程々に働いている。本日も技術立国日本のため、鋭意業務に精励。いつもの時刻に帰宅した。夜更け前、珈琲を淹れて一服。併せてこんな盤を取り出した。


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バッハの「コーヒーカンタータ」BWV211。例によってブリリアント版バッハ全集中の一枚。この全集の声楽曲はオランダのネザーランド・バッハ・コレギウムという少しマイナーな団体による演奏が多いが、このコーヒー・カンタータを含むいくつかの世俗カンタータは、ペーター・シュライヤー指揮ベルリン室内合奏団の録音が使われている。ソプラノがエディット・マチス、テノール:ペーター・シュライアー、バス:テオ・アダムという、往時の独系オールスターズといった顔ぶれだ。演奏スタイルも今から見ればひと世代前のものかもしれないが、終始安定したオーソドクスな曲の運び、そしてそれをよくとらえた低域の充実した素晴らしい録音だ。

バッハが活躍していた18世紀当時、珈琲はすでに庶民に人気の飲み物になっていたらしい。一方で珈琲は風紀を乱すものという評判もあって、このコーヒー・カンタータはそんな世相を取り上げている。「珈琲は千回のキスより素敵、マスカット酒より芳しい。コーヒーは素晴らしい」という娘に対して父親が、「コーヒーをやめないなら外出禁止だ」と言い出すといった、案外ドタバタ喜劇のような歌詞が付いている。歌詞を見ずに音楽だけを聴いていると、そんなドタバタは想像すら出来ず、いつものバッハらしい機知に富んだメロディーや和声で、純粋な音楽として楽しめる。特に第4曲のソプラノが歌う短調のアリアはことのほか美しい。

バッハ自身も無類の珈琲好きで、この曲も彼自身による珈琲賛歌なのだろう。そういえばベートーヴェンも大そう珈琲が好きで、いつも60個の豆の数をきちんと数えて淹れていたという。緻密で隙のない楽曲を作ったベートーヴェンらしいエピソードだ。ぼくは珈琲が好きでほぼ毎日飲むが、豆の数を数えるほどではない。更に、珈琲がキスより千倍も素敵だとは思えないが、確認するすべもない。


コープマンと手兵アムステルダムバロック管による劇仕立ての音源。ネットで歌詞を探し、それを見ながら聴くとよく分かると思う。第4曲フルートのオブリガートにのって歌うソプラノのアリアは4分10秒から。


こちらは21世紀のカフェ仕立て


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