ラゴスニック(G)とリンデ(FL)
梅雨空に逆戻りしたかのような日が続いていたが、このところじわじわ気温も上昇。暑い夏が戻りつつあるようだ。さて、気付けば7月の下旬。思いがけず仕事量増大の年度初めから数ヶ月経ったが、相変わらず程々に忙しい。きょうも月末締切りを気にしながら業務に精励。7時過ぎに帰宅。道楽部屋の整理をしながらBGMにと、こんな盤を取り出した。


コンラード・ラゴスニック(1932-)のギターとハンス=マルティン・リンデ(1930-)のフルート、リコーダーによる演奏を収めたLP盤。
最近の事情はよく知らないが、ぼくが学生時代の70年代、ギター弾きにとって他の楽器とのアンサンブル相手の筆頭はリコーダーだった。手軽で素人でも音がひと通り出せ、音量も適度でギターの相方にちょうどよかった。ギター弾きの何割かはリコーダーも自己流でかじったものだ。取り上げる曲もギター弾きにも馴染みの深いバロックの小品や、少し腕を上げるとヘンデルのソナタが目標になった。かくいうぼくも学生時代、友人のギターとチェロを通奏低音にヘンデルのト短調のソナタに挑戦し、学内の演奏会で吹いたことがあった。
この盤ではヘンデルのソナタ他、レイエ、ロカテルリ、バッハやテレマンの作品が収録されている。録音は1975年。当時完成したばかりの上野学園石橋メモリアルホール(数年前に建て直された)でカメラータトウキョウ:井阪絃のプロデュースで行われている。オリジナルの伴奏あるいは通奏低音(一般にはチェンバロあるいはチェンバロ+α)による伴奏と比べるとギター1本による伴奏は、正直なところ少々音楽が痩せて聴こえるのはしかたないだろうか。ラゴスニック自らのアレンジによるギターパートは、以前楽譜にあたったことがあるが、技巧的に中々難しく、きちんと弾くにはアマチュア上級以上のスキルが必要だ。この盤、あるいはこの編曲はギター弾きがバロック期の合わせ物を楽しむ対象としては好適だが、純粋に笛の響きと音楽を楽しむのなら、オリジナル形式の伴奏を採りたい。
手元にはこのコンビおよびフルートのペーター・ルーカス・グラーフ(1929-)のフルートを相方にした盤がある(写真下)。グラーフとの盤はギター弾きにはお馴染みのジュリアーニとカルリの作品他が収まっている。ジュリアーニは作品25ホ短調のソナタ、カルリは作品109の中の一つ。共にあまり演奏されることのない曲だ。曲としてはオリジナルがギター用に書かれているこれらギター古典期の作品の方がずっと楽しめるように思う。 部屋の戸棚の中にリコーダーが何本か転がっているが、音を出さなくなって久しい。昔を思い出してヘンデルのソナタでもトライしてみたいとも思うが、今更…の感強く、手付かずのままだ。
このコンビによるバッハ:フルートソナタ・ハ長調BWV1033第1楽章。1991年の再録音
ペーター・ルーカス・グラーフとラゴスニッヒによるジュリアーニ作品25ホ短調のソナタ。
こちらはカルリ。
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