エラ・フィッツジェラルド&ジョー・パス「Take_Love_Easy」



異例に早い梅雨明けだ、コロナ第7波だ…などどいっているうちに気付けば八月も下旬。週末日曜のきょうはこれといった用事もなく過ごす。昨夜は少し遅くまで部屋の片付けやら、溜まった身辺雑事の処理。BGMにと音盤棚での占有率20%ほどのジャズの盤を物色。久しぶりにこの盤を取り出した。


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エラ・フィッツジェラルド(1917-1996)のヴォーカルとジョー・パス( 1929-1994)のギターによるデュオ。エラにとっては少しブランクがあったのち、ノーマン・グランツが1973年に設立したパブロレーベルから出した復帰作。録音も同年。これが大そうヒットして、以降4作ほど続編が出たと記憶している。この盤はちょうど学生時代にFMで聴き、カセットに録って何度となく聴いた懐かしい盤。後年、御茶ノ水の中古レコード店で手に入れた。今でもCDで版を重ねている。

70年代以降のエラは全盛期を過ぎ、この盤を出した頃もすでに病に冒されていたという。ヴァーヴ時代のバリバリのエラはもちろん素晴らしいが、この盤に聴くバラードも味わい深い。いやしかし、その後の彼女の人生を思いながらとなると、味わい深いというほど単純なエンターテイメントとしては聴けないところがある。晩年の彼女は大変な日々を過ごした。

全編おなじみのスタンダードをときに甘くチャーミングに、ときに抑え気味の表情で歌うエラ。全盛期を過ぎたとはいえ、音程の確かさ、ダイナミクスのコントロールとも完璧だ。そしてエラの歌声に寄り添うようなジョー・パスのウォームなギターサウンドがまたいい。加えてこのアルバムは1973年録音にもかかわらずモノラル録音(音質そのものはきわめて良好)。モノクロのジャケット共々、このアルバムのコンセプトが伝わってくる。


この盤のB面1曲目ガーシュインの名曲「A Foggy Day」


このコンビによる1975年のライヴ。スティーヴィー・ワンダーの「You Are The Sunshine Of My Life」



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これは私もよく聴きました。
どちらかといえばEasy Living の方を沢山聴いたかな?
このペアで何度もアルバムレコーディングしてるってことは何かピンとくるものがあったのかもしれませんね。

Re: タイトルなし

みっちゃんさん>そうですね、この盤がきっかけで何枚が出ました。ソロの「Virtuoso」シリーズも含め、ジョー・パス人気も頂点だったように思います。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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