ハウザーの弦交換2022年夏



このところギターを弾こうと思って取り出す楽器と言えば、本家アグアドや少し前に手に入れた江崎アグアド、加えて時々田邊ロマニというローテーションが多かった。そもそも練習時間そのものがしれたものなので、手持ちに楽器の中にはローテーションに組み入れられないギターも何本かある。最近ちょっと偏り過ぎたかなあ…と反省し、先週末はハウザーを取り出し、久々に弦交換と相成った。


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さて何を張ろうかと悩み半分楽しみ半分。手持ちのストックから選んだのは、随分前に手に入れながらずっと放置状態だったドーガル社のディアマンテ・レギュラーテンション。一昨年同じくドーガル社のマエストラーレ弦をラミレスに張ったことがあった。マエストラーレ弦はかなり個性の強い弦で、楽器や弾き手で評価が分かれる。今回取り出したディアマンテ弦は、より伝統的な弦の響きに近いという触れ込みだ。素材は通常のナイロンにカーボン成分を加えたもので、昨今流行りのカーボン弦と伝統的なナイロン弦の中間的性格ということになっている。見た目は透明のナイロン弦そのもの。太さも通常のナイロン弦に近い。手にした感触はやや剛性が強く、ナイロン弦のしなやかさとは違う。張替えは特段変わることなく、いつも通りの作法でハウザーにセットし、ひと晩おいて伸びを修正しつつ弾いてみた。


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いつ見ても惚れ惚れする表板!
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特徴的なのはやはりモノフィラメントの高音弦。キラキラした倍音成分は少なく、全体として基本が太くしっかり鳴る。弾いている手元ではあまり音量感もなく、音色も地味に感じたが、楽器を身体の正面にセットし、腕を伸ばしてタッチに気を付けながら単音を弾いてみると、抱えて弾いている印象とは違って、エネルギーのある音が楽器から飛び出してくる感じで、音量感も十分。太い音色に変わりはないが、よく通る音でサステインも十分に感じられる。もっともその辺りは弦というよりは楽器の性格が支配的だろう。結果として楽器と弦のマッチングとしては、双方が同傾向の音色感をもった組み合わせといえるかもしれない。まだ張り替え直後ということもあって、弦の張りは少し強めに感じるが、しばらく弾いて馴染むうちに、緊張が少しほぐれ、音色も倍音がのるようになって印象が変わってくるかもしれない。これから練習ローテンションに加えて、少しずつ様子をみていくことにしよう。


以下はこのハウザーで弾いた音源。佐藤弘和「小シシリエンヌ」とカルカッシ25の練習曲から始めの方の3曲。4曲続けて再生される(…はずです)。シシリエンヌは当時楽譜を手にした直後で、あまりにたどたどしく恥ずかしい。カルカッシは拙宅の中でもっとも響きのある玄関ホール(というほどの広さではないが)で弾いたもの。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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