モーツァルト 協奏交響曲 K.364



気付けば十月も下旬。相変わらず仕事は少々タイトで、秋の風情を楽しむ余裕に欠ける毎日だ。こんな風にあっという間に人生も終わるのかぁ、嗚呼。 さて、それはともかく…週明け月曜日。きょうも程々に頑張って業務に精励し、いつもの時刻に帰宅。今夜は少し前から聴こうと思っていたこの盤を取り出した。


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カール・ベーム(1894-1981)とベルリンフィルのメンバーによるモーツァルトの協奏交響曲K.364。手持ちの盤は70年代終盤に出ていたグラモフォンの廉価盤シリーズの一枚で、このヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364と管楽器のための協奏交響曲K.297aとがカップリングされている。

カール・ベームといえば、ぼくら世代は70年代のウィーンフィルとのコンビで人気を博していた頃を思い出す。日本にもウィーンフィルと再三来日して万雷の拍手を受けた。それに先立つ60年代、ベームは当時カラヤンの手兵となっていたベルリンフィルとモーツァルトやシューベルトの交響曲などを録音している。60年代は契約の関係でウィーンフィルは英デッカとの録音が主体で、ベームと独グラモフォンへ録音することが出来なかったと何かで読んだ。70年代になってこの制約がなくなり、ベームはウィーンフィルとベートーベンやブラームスの交響曲全集を立て続けに録音する。このモーツァルトは60年代半ばの録音で、当時ベルリンフィルと進めていたモーツァルト交響曲全集録音の一貫として録られた。独奏を務めているのは、当時のベルリンフィル弦楽セクション第1奏者であったトーマス・ブランディス(ヴァイオリン)とジュスト・カッポーネ(ヴィオラ)である。

いつも通り、4グラムの針圧をかけたSPU-Gを静かに下ろす。わずかなスクラッチノイズに続いてベルリンフィルのトゥッティが響く。しっかりとした骨格が分かる響きが印象的だ。流麗、なめらか、美音、というキーワードには遠い。これがベームの個性であり、ベルリンフィルのベームに対する応答なのだろう。特に第2楽章は堂々とした展開でスケールが大きい。それでも同じコンビによるモーツァルトの交響曲録音に比べると、この盤は曲の性格からた柔和でしなやかな表情も感じさせる。

二人の独奏は、中音域がしっかり詰まった充実した音とベーム&ベルリンフィルのやや古風な曲の運びにマッチした弾きぶりが印象的で、単なる美しさだけを求める姿勢とは対極だ。特にジュスト・カッポーネのヴィオラはまるでチェロのように太く響く。第2楽章の憂いに満ちたメロディーとヴァイオリン・ヴィオラ両独奏パートの掛け合いには、この盤の二人のような音色がむしろ似つかわしいかもしれない。無骨ともいえるベームのスタイルも懐かしい一枚だ。


この盤の音源。全3楽章。


スイス北部アールガウ州に本拠地をおくアールガウ・フィルハーモニー管弦楽団による今年5月の演奏。



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