カレル・アンチェル&チェコフィル 管弦楽名曲集 vol.1



日に日に深まる秋。好天続きながら朝晩は次第に冷え込んでいく。エアコン不要の貴重な季節。夜半前のひととき、絞り気味のボリュームで楽しむ管弦楽曲いとをかし。今夜取り出したのはこの盤。


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カレル・アンチェル&チェコフィルによる管弦楽名曲集vol.1。先回の記事に取り上げたvol.2とペアでリリースされたこの。vol.2が中欧物。このvol.1がロシア・スラヴ物という企画。収録曲は以下の6曲。録音は1958年~1964年。

1. グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
2. ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
3. リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34
4. チャイコフスキー:イタリア奇想曲 作品45
5. チャイコフスキー:序曲「1812年」作品49
6. スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲

アンチェルの他の盤同様この演奏も、キレの良さ、緊張感と集中力の高さに耳がいく。冒頭第1曲のグリンカは例のムラヴィンスキー&レニングラードのライヴ盤に勝るとも劣らないスピード感だ。手持ちの盤で調べてみたらムラヴィンスキー&レニングラードが4分50秒、かなりの快速調と思われるマルケヴィッチ&ラムルー管が5分20秒、そしてこのアンチェル盤は5分4秒…なるほど納得だ。録音がややオンマイクで録られていることもあって、ヴァイオリン群の快速フレーズが実にクリアで、熱っぽさがダイレクトに伝わってくる。もちろんベルリンフィルはもっと上手いかもしれない。しかしチェコフィルの弦楽群は十分上手いし、キレのよさと集中力は並大抵ではない。きっと練習ではアンチェルにびっちり絞られたことだろう。

一転、ボロディンではエキゾチックな二つのテーマを十分に歌い込んでいく。アンチェルの盤を先回、今回と続けて聴いてあらためて分かったことだが、彼の演奏はキッチリ、スッキリした造形とそれに見合うキレと緊張感のある音作りをベースとしながら、この盤のボロディンにように抒情的な要素を持つ曲では長いフレーズもたっぷりと歌っていく。曲に応じた二つの顔を実にうまく使い分け、いずれもが集中力と緊張感に富む演奏だ。3曲目のスペイン奇想曲は緩急が交互に現れる構成だが、アンチェルの描き分けが見事。

オーケストラピースの中でも好きな曲の一つ「売られた花嫁」序曲はグリンカ同様の快速調の演奏。この曲の開始、弦楽群がザワザワと集散を繰り返しながら盛り上がりトゥッティが確立される様は、いつ聴いても実に胸のすく展開で、オーケストラという合奏形態の完成度の高さに感動する。


この盤の音源。グリンカ歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲


同 ボロディン「中央アジアの平原にて」


同 リムスキー・コルサコフ「スペイン奇想曲」



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