若き日のムーティ&NPO「スコットランド」



きのうは立春。少し前からの寒波も峠を越した。日脚も伸びて、春の兆しも感じる。さて、週末日曜日。そんな春の訪れを音でも感じようと、この盤を取り出した。


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リッカルド・ムーティの指揮するニューフィルハーモニア管弦楽団によるメンデルスゾーン(1809-1847)の交響曲第3番イ短調「スコットランド」。1975年録音。手元の盤は当時の国内初出盤。十数年程前に近所のリサイクルショップのジャンク箱から救済してきたもの。

リッカルド・ムーティ(1941-)の名を知ったのは、1975年にベームとウィーンフィルの来日に同行したときが初めてだった。多くの日本のクラシックファンにとっても、ベーム&ウィーンフィルをいう伝統の象徴のようなコンビに、よく知らないイタリア人の若造が付いて来て、やたらと張り切って指揮していた印象が残ったはずだ。一方でこの録音の少し前にはクレンペラーのあとを継いでニューフィルハーモニア管の首席指揮者(のちに音楽監督)になり、その後ムーティは予想以上に大成しメジャーオケを振って多くの録音を残した。この盤はそういう人気が出始めた頃の録音だ。この録音を聴くと、ムーティが万年青年然としたその風貌に似合わず、若い頃から曲によっては随分と落ち着いた演奏をしたいたことが分かる。

それだけ聴いてもこの曲の良さを堪能できる第1楽章の序奏は、この曲のベンチマークというべきペーター・マーク盤以上にじっくり構えたテンポで始まり、少々驚く。EMI録音の特性で、低音はしっかり入っているが強調感はなく、各声部はクリアかつしなやかで美しく響く。そして、この曲には珍しく提示部を繰り返している。トスカニーニ以来、イタリア人指揮者というと必ず、その徹底したカンタービレが代名詞のように言われる。実際このムーティ34歳のときの録音も、ヴァイオリンやチェロなど弦楽群がメロディーをとるときの歌いっぷりは中々だ。特に第3楽章のアダージョはことのほか美しく、真にアダージョらしく、かつ粘らず、おそらく手持ちの盤の中では白眉ではないだろうか。久々にこの盤を聴いてムーティのその後の人気ぶりを再認識した。 それにしてもムーティも今年82歳…こちらも歳を取るはずだ。


この録音の音源。第1楽章。


同 第3楽章アダージョ。第1楽章がスコットランドの荒涼とした大地を思わせるものだとしたら、この緩徐楽章にはかすかな春の訪れを感じる。



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