M・ポンセ ギター作品集
このところ空模様が不安定だ。冬型気圧配置が長続きせず、高気圧と低気圧が頻繁に入れ替わる。春の兆しだ。さて、週半ばの水曜日。年度末を前にあれこれ事務作業が舞い込んできて気分は少々憂うつだが、気を取り直して…久しぶりにこの盤を取り出した。

マヌエル・ポンセ(1882~1948)のギター作品集。いくつかの面を持つポンセの作品中、少し特異な作風の曲を収めたナクソス盤の一枚。アダム・ホルツマンのギター。1997年録音。収録曲は以下の通り。
・前奏曲ホ長調
・組曲二長調 プレアンブル/クーラント/サラバンド/ガヴォット1・2
・組曲イ短調 前奏曲/アルマンド/サラバンド/ガヴォット/ジーグ
・ギターとハープシコードのための前奏曲
・ギターとハープシコードのためのソナタ
・バレット
・タルレガ賛歌
ポンセはギター弾きにはお馴染みの作曲だが、一般に知られている曲は「エストレリータ」くらいだろうか。クラシック音楽の世界にあっては、近現代を代表する作曲家の一人として外せない存在だ。特にギター曲に関して20世紀前半、セゴビアとの交流を通じて重要な作品を残した。
作曲家には多かれ少なかれいくつかの異なる作風を示すケースが多いが、このポンセにも当てはまる。この盤に収録された曲の多くは、バロックや前古典期の作風を擬した作りになっている。二つの組曲はバロックの舞曲形式組曲で、かつてはバッハと同時代を生きたドイツのリュート奏者シルヴィウス・レオポルド・ヴァイスの作と言われていたこともあった程だ。しかし、よく聴くとそこここに近現代の要素を感じさせる和声が仕組まれている。20世紀初頭はバロック期の音楽が復興したことを受け、そのスタイルを借りた曲が一時の流行りと言ってもいい時代だった。ストラヴィンスキーの一部の作品などはその典型だ。
中上級のギター弾きなら、これらの曲のいくつかはお馴染みだろう。前奏曲ホ長調や組曲イ短調はセゴビアが弾き、日本でも渡辺範彦が度々取り上げたこともあって古くから親しまれてきた。ギターでの演奏効果も中々よく、コンサートでも弾き映えのする曲だ。ぼくもそれこそ高校時代からずっと親しんできたが、いずれもきちんとモノになっていない。
手持ちの盤からアップしたこの音源「ギターとハープシコードのための前奏曲」
組曲ニ長調
セゴビアのマスタークラス1986年。組曲イ短調のジーグ
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