4減1増



「4減1増」…当地の議員定数問題で…なんて話ではなく、手持ちのギターの話。
かねてより終活に向けて手持ちの品々を漸減させようと思案し、その対象のうち最も課題の多いギターの整理に着手した。まあ、コレクター的視点で言えば5本や10本、物の数ではないわけだが、真っ当な市民感覚ではやはり問題だ。そこで昨年秋、意を決して4本を放出。委託販売をお願いした店がネットには載せずにすでに2本が売済みとなった。残る2本も全力営業中の様子。1本は苦戦しそうだが、いずれ4減が実現する見込みだ。しかし話はそれで終わらない。4減はいいとして1増って…


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悪いことに?!手持ちの2本が想定より高値で売れてしまった。こと道楽に関しては宵越しの金を持ってはいけない。そう思っているところへ、某販売店サイトにあがった1本のギターが目にとまった。ハウザー3世1990年作。サイトの紹介文曰く…

「…通常のセゴビアモデルでは設置されている2本のクロージングバー(ボトム部で扇状力木の先端を受けとめるようにハの字型に配置される)がなく、扇状力木がボトム近くまで伸びています。レゾナンスもハウザーとしては低めのF~F#に設定されています…」
「…低いレゾナンス設定ゆえのどっしりとした重心感覚を備えており、太い低音からきりっとしたシャープな高音へと繋がってゆくバランス感はこの時期の3世ならでは。またやはりスペイン的でロマンティックなニュアンスを豊富に含んだ音色も大変に魅力的…」

いかん、いかん、これはいかんやつじゃないか、放っておけないだろ…というわけで早速試奏に赴き、そして即決。1増ってハウザーしかも2本目の…マジか! そう自問しながらも心は決まり手持ち4本の放出転じて1増となった次第。自宅で手持ちのハウザー2006年と比べるとキャラクターはかなり異なる。音の均一性、凝縮感は2006年作に分があるが、今回手に入れた1990年はよりスパニッシュで開放的。レゾナンスがF~F#と低く、ボディーも軽め。高音はカリカリと明瞭に立ち上がる。こんな3世は初めて。まるで50年代の2世か、それ以前の1世を思わせる雰囲気だ。前所有者によりかなり弾き込まれているようで、少々キズはあるが音は文句なしに素晴らしい。材料もいつもながらのハウザー。表板の目はつんでいるし、横裏は板目の真正ハカランダだろうか。ネックや指板の状態、ナットやサドルのセッティングも当面そのままで行けそうだ。 4減転じて1増…まあ、3減は間違いないので、ひとまずこれで良しをしよう。ひとまずは…


逆光の中、ゆるゆると音出し確認。



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機材の整理のポイントは?

ブログを興味深く拝見させております。このハウザーは私も大変興味ありアウラさんに問い合わせを入れておりました。地方在住なので容易に試奏ともいかず、ウーンと思っているうちに売れてしまいました。機材整理は難しく私も思案中ですが付き合いの長いものは手放し難くで難儀しております。手放す楽器の決め方など人それぞれでしょうが、参考までにご開示いただけると助かります。と言いつつ新作の田邊サントスの購入を決めてしまいましたが。代わり手放す楽器は決めていますのでプラスマイナスゼロです。こんな感じで台数はなかなか減りません。

Re: 機材の整理のポイントは?

河内の木樵さん お久しぶりです。コメントありがとうございます。
放出基準…難しいような簡単なような、まったく個人的な意思決定なので、一般論はないでしょうね。私の場合もこれといった方針などなく、最後はエイヤーでした。これ、最高!と思って手に入れたものの、その後音の好みが変わって手にすることが少なくなった、というものもあります。どれを手放すかではなく、どれを残すかで決めて、残りは「サヨナラ!長い間ありがとう」と手を振りました(^^; 年老いていくにつれ、最後の1本をどれにするかと決めて、それに向かって少しづつ減らしていこうと思っています…が、どうなることか。
田邊サントス…これまで何本かみましたが、いずれも素晴しい楽器でした。楽しみですね。また感想を聞かせて下さい。

1増おめでとうございます!
追々3増して+-0になるかもしれませんね。

返信ありがとうございます

音の嗜好が変わって 手放すと言うのは、確かにそうですね。自分にも当てはまるところあります。倍音が多すぎて気になりはじめたなど、最初はそれも含めて最高と思って選んだはずなのに。基音と倍音のバランスは難しいです。このハウザーは想像通り、素晴らしい音ですね。音質も硬すぎず、しかし筋肉質もある芯もあるとても良いバランスの音だと思います。

Re: タイトルなし

まあ、1増なら仕方ないねのレベルだけれど、3増はいけませんよ。冗談でも口にしてはいけません¥(^^;

Re: 返信ありがとうございます

五十の声を聞く頃にギターを再開しから20年近くになりますが、この間、かなりの数の楽器を手に入れ、そして放出を繰り返しました。実際、楽器に対する見方、好みも随分変わりました。 最近は次第にこだわりがなくなりつつあります。極端なことを言えば、何でもいいかなと。 これも加齢のなせるわざでしょうかね。 

No title

名手、慧眼の与太様のブログありがたく拝読させていただいております。私は、安物ギターの我楽多市状態です。珍品多数です笑

Re: No title

ケロロさん、初めまして。コメントありがとうございます。
何にせよ、愛する品々、愛する人々…に囲まれるのは、嬉しいことですよね。ただ、万事ほどほどが肝要というところでしょうか。
ケロロさんの珍品の数々、ぜひご紹介下さい。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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