R・シュトラウス 二重小協奏曲ヘ長調



きょうは天皇誕生日。ちょっとした資料作成の野暮用あって終日PCに向かって過ごす。昼過ぎになり、キーボードを打つ手が少々疲れたところで一服。こんな盤を取り出した。


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リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)のクラリネットとファゴットのための二重小協奏曲ヘ長調。正しくは「弦楽オーケストラとハープを伴ったクラリネットとファゴットのための二重小協奏曲」。マンフレート・ヴァイスのクラリネット 、ウォルフガング・リープシャーのファゴット。1975年録音。ルドルフ・ケンペ(1910-1976)指揮ドレスデン国立歌劇場管(SKD)によるリヒャルト・シュトラウス管弦楽全曲集ボックスセット中の一枚だ。

この作品はオーボエ協奏曲同様、モーツァルト回帰がより色濃くなったR・シュトラウス最晩年の作品。1946年作のオーボエ協奏曲より更に一年後の1947年に作られた。編成が変わっていて、ソロをとるクラリネットとファゴット、弦楽五部にハープが加わり、さらに弦楽五重奏が指定されている。構成は古典協奏曲の定石にのっとった急・緩・急の三つの楽章が切れ目なく演奏される。

第1楽章の短い導入部。始まってすぐに近代作品とわかる転調を含みながらも、どこかドヴォルザークの室内楽のようなフレーズが響き、クラリネットが穏やかなモチーフを奏する。ファゴットが入るあたりから音楽は活気を帯び始めるが、主題とその展開を経てクライマックスという型通りの進行はない。常にクラリネットとファゴットが対話をするかのように曲が進む。この曲が当初標題音楽として構想され、それぞれの独奏楽器にキャラクターを設定しようと考えていたと知り、なるほどと合点。それぞれの楽器の個性もあってか、なにやらヤンチャな子供(クラリネット)と、それをたしなめる大人(ファゴット)という趣きだ。ファゴットが活躍する第二楽章をへて、終楽章は再び対話路線の展開。この楽章はR・シュトラウスの著名な交響詩群でしばしば聴かれるような近代的和声感と、精緻な管弦楽の響きも加わり、単なるモーツァルト回帰でないことを感じることができる。

鮒にはじまり鮒に終わるのごとく、R・シュトラウスの場合はモーツァルトにはじまりモーツァルトに終わるの生涯であったが、18歳のときの作品ホルン協奏曲第1番、そして最晩年のオーボエ協奏曲とこの二重小協奏曲は、この作曲家の個性を知る上でも必聴の作品だ。


この盤の音源。全楽章。


ケルン放響(WDR響)による2014年の演奏。



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