田邊ギターの弦交換
季節もよくなり、楽器を取り出す時間も少し増えてきた。楽器道楽にシーズンインという言葉はないだろうが、気分転換も兼ねてギターの弦交換。手持ちギターのうち、きょうはしばらく張り替えていなかった田邊ギターを取り出した。


本ブログには度々登場している田邊雅啓氏に作ってもらったロマニリョスモデル。2004年作。長野県上田市の石井栄工房での年季が明け、栃木県足利市に工房を構えた直後に知り合って注文。2年程待って出来上がった。田邊氏ご本人が「初期の傑作」と自認する良品で、現代ギター2004年11月増刊「クラシック・ギター銘器コレクション」にも記載された。
弦の選択は楽しくも悩ましい作業だ。昨今、値段が上がりつつあるのもの、一般の弦楽器に比べるとひと桁安い価格で様々な種類のものが流通している。今回は手持ちの中からサバレス社のカンティーガ・クリエーション(ノーマルテンション)を選んだ。強い個性はなく、テンションも程々。明るく明快な発音で、モダンギター用としては今どきの弦の中ではほぼ定番と言える選択だろう。




ぼくの田邊ロマニの駒は3ホール仕様。サドルと駒木部との取り合いは写真の通り。3ホールを使わず、1ホール使用でもサドルとのタッチは十分な角度が得られる。駒木部から出るサドルはほぼ直線状で、低音弦側から高音弦側への傾斜は付いていない。低音弦と高音弦の弦高セッティングは、指板の厚みを低音側に向けて薄くすることで行っている。少し前にサドルを下げてもらい、現在の弦高は1弦2.6㎜、6弦3.6㎜(いずれも12フレット上)。少々強めのタッチでもビビりはない。 ネックの反りは皆無。ネックの反りはギターの不具合のうちもっとも神経を使う。「多少の順反りは問題なし」とされることが多いが、ぼく自身はとても気になる。田邊氏によれば、これまでの修理経験でネック反りの原因の一つとして、指板とネック材の接着がゆるいケースがよくあったとのこと。自身の作でネック反りはほとんど経験していないそうだ。
例によって張り替えてから一日おき、初期の伸びが収まったところで音出し確認。古い弦との違いは低音弦で顕著。量感と深みのある低音が飛び出してきた。高音もサバレス弦らしい明るくハリのある音色。もともと木質系の穏やかな音色のぼくの田邊ギターにキラキラ感を少し足してくれる感じで良いマッチングだ。 弦も張り替え気分一新。さあ、練習に精出そう。
田邊ギターで弾いた再生リスト.。佐藤弘和氏の小品3曲。
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