セル&クリーヴランド管 ブルックナー 交響曲第8番ハ短調


暑さ寒さも彼岸まで…の彼岸も一週間後だというのに、当地関東内陸部は相変わらず暑い日が続いている。昼も夜もまだまだエアコン頼りだ。さて三連休もきょうで終わりという夜、久しぶりにブルックナーのシンフォニー、それも第8を聴こうかとLP盤の入っている棚を探索。しばらく聴いていないなと思い、取り出したのは、セルとクリーブランドの盤だ。


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ブルックナーに開眼したのは70年代半ば大学2年の頃。ブルックナーやマーラーの大曲がブームになり、学生の仲間内でもよく話題になった。中でも第8番は、その規模や、豪放さと敬虔な祈りとを併せ持つ曲想から人気があった。クナッパーツブッシュや朝比奈隆のブルックナー録音が人気を得出した時期でもある。この盤は1969年10月ジョージ・セル最晩年の録音の一つだ。セルは手兵クリーブランド管弦楽団と翌年1970年、大阪万博に合わせて来日公演を行い、そのあと帰国して程なく帰らぬ人となった。
セルのブルックナーは当時決してメジャーな人気を得たとは言えなかったが、どうして、今聴くと素晴らしい演奏だ。セルらしく全体は古典的によく整い、楷書の趣き。いつも通りアンサンブルの縦の線はきっちり合い、フレージングもよくコンロトールされている。聴いていてラフなところがまったくない。それではいささか肩肘張っていて面白くないのではないかという向きもあるだろう。しかし、これだけの大曲を自発性という言葉のもと、奏者の勝手に任せていては、断片的な印象は残るかもしれないが、曲を大きく俯瞰して聴かせることは難しい。徹頭徹尾神経の行き届いた演奏という意味では、解釈は異なるがチェリビダッケの演奏に通じるところがある。古典的によく整いと書いたが、そこは後期ロマン派の大曲だ。ブルックナーと聞いて期待する重量級の響き、金管群の迫力、第3楽章での弦の歌、いずれも過不足なく充実している。手元にはこの曲の盤が10種ほどあるが、ケンペ&チューリッヒトーンハレ盤、チェリビダッケ&ミュンヘンフィル盤と並んで残しておきたい名演だ。

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セルって

こんばんは

セルってどうして人気が今ひとつなんでしょうね。
学者肌っぽいところなのでしょうか?
彼の音楽はカチッとしているけれど、聴けばそれ
ばかりではないと分かるはずなのに残念です。

Re: セルって

こんばんは。コメントありがとうございます。
セルもそうだし、バルビローリやクレンペラーなど、70年代を前に物故した指揮者の、少なくても日本での当時の人気は高くありませんよね。クラシックが裾野を広げ、またオーディオブームで家庭にステレオが浸透しというプロセスが70年代以降だったからでしょうか。むしろ今の方が理解者が多いように思います。結局、レコード会社のプロモーションにのるかどうかでかなり支配されてしまように感じます。

セルのブルックナー8番

これは、私も好きで愛聴しております。弦楽部なども、すばらしく美しい演奏ですね。だいぶ以前に、こんな記事を書いておりました。TBがわりに、URLを貼っておきます。
http://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/ee4eb3a5031e105aa1248b495cf81626

Re: セルのブルックナー8番

narkejpさん、コメントありがとうございます。

> http://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/ee4eb3a5031e105aa1248b495cf81626

narkejpも書かれている通りですね。
ブルックナーは盛大な金管ファンファーレに耳が行きがちですが、弦楽パートの美しさも比類がありません。セル&クリーヴランドで聴くと、一層その感を強くします。ピッチやボーイング(多分ヴィブラートのかけ具合も)が整っているので、ハーモニーも濁らず、透明で精緻な弦楽の響きが実現するのでしょうね。

プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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