ベートーヴェンのバガテル
先週末、部屋の片付けをしながら久々にこの盤を取り出し、プレイヤーにセットした。

グレン・グールド(1935-1985)の弾くベートーヴェンのバガテル集。例のボックスセット中の一枚。1974年録音。
ちょっとした小品といった意味を持つバガテルだが、「ちょっとした」の意味は作曲家により、あるいは作品により様々だ。この盤には作品33の7曲と作品126の6曲が収められている。作品33はまさに「ちょっとした」モチーフ集のようでもあり、確かに彼のピアノソナタに使われているモチーフや音形が現れたりする。あるいは技術面での教育的ピースの側面もあるのかもしれない。一方作品126は作品33とはまったく世界が異なる。作品126の6曲はベートーヴェンの最晩年の作品としての意味が色濃く出ている。規模はいずれも小さく、その点はまさにバガテルではあるのだが、曲のイメージやモチーフの扱いは深く、ときに瞑想的だ。
ベートーヴェンは古典派からロマン派への扉を開けた存在と位置づけられるが、この作品33と126の二つのバガテル集を聴くとその意味がよく分かる。作品126は明らかにロマン派の音楽になっているからだ。感情の表出、モチーフの扱い、調性の位置づけ、それぞれが古典期よりも拡大され、大胆な試みがなされいてる。
この盤の音源。ベートーヴェンが残したもっとも美しいピアノ曲の一つといわれるバガテル作品126の3。深い呼吸で瞑想的な演奏を繰り広げるグールド
同 作品33の7曲と作品126の6曲
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