ベートーヴェン ピアノソナタ第26番変ホ長調「告別」



少し前から断続的にベートーヴェンのピアノソナタを聴いている。全曲くまなくというわけではなく、どうしても気に入った曲を繰り返し聴くことが多い。きょうはこの盤を取り出した。


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アルフレッド・ブレンデル(1931-)の弾くベートーヴェンのピアノソナタ第26番変ホ長調「告別」と第29番変ロ長調「ハンマークラヴィア」が収められているLP盤。1985年のリリース。時代はCDへのシフトが進みつつあった当時、ベートーヴェンのピアノソナタはグルダのアマデオ盤全集が手元にあったのだが、少し新しい録音も聴きたいと思い、1800円というミドルプライスと録音のいい直輸入原盤使用という触れ込みに釣られて、このフィリップス盤を手に入れた。しかしその後あまり聴いた記憶がなく、今も盤面は真新しい。さきほどからいつものCEC製プレイヤーとオルトフォンSPU-Gという組み合わせで聴いているが、ノイズなくクリアな音を聴かせてくれている。その後、この録音を含むブレンデルの70年代録音の全集セットをCDで手に入れたが、LPはLPで味わい深い。

「告別」ソナタはベートーヴェンのピアノソナタな中では好きな曲の一つだ。特に第1楽章がいい。落ち着いた、しかし緊張感のある序奏。そして主部では短調と長調のスケールが微妙に交錯する。ブレンデルの、この1977年録音の演奏はやや遅めのテンポで急がず騒がず、展開部に入ってもフレーズの一つ一つをじっくり確かめるように進む。ベートーヴェン演奏にありがちな剛直な感じは皆無。むしろ静寂感が支配しているといってもいいくらいで、ぼくが抱くこの曲のイメージにぴったりだ。一緒に入っている大曲ハンマークラヴィアソナタについてはまたいずれ。


この盤の音源。「告別」ソナタ全3楽章 手持ちのCD盤からアップ。


楽譜付き音源。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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