モンブラン#149



かつて愛用していた万年筆がオーバーホールから戻ってきた。


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モンブランのマスターシュトゥック#149。40年程前、80年代初頭に手に入れ、折にふれ使っていたもの。かつてのように手書きの機会もなくなってきた20年程前から出番なく、引き出しの奥で眠っていたが、ふと思い出して手にしたくなった。年月が経っていることから、いきなりインクを入れるのもはばかられ、この際だからとメンテナンスに出すことにした。日本橋丸善に持ち込むと、モンブランのメンテンナンスは内容に関わらず一律料金とのこと。思いのほかリーズナブルな料金で、ひと月ほどで戻ってきた。

かつて使っていたといっても、物書きでもない市井のサラリーマン。万年筆の出番などそうそうあるわけでない。旧友宛の書簡、仕事上の走り書き、ちょっとした書類へのサイン、冠婚葬祭等での記帳など、やおら取り出しペンを走らせ、一人悦に入っていた。昨今、万年筆はブームに近い流行アイテムのようで、年齢性別問わずファンが多いようだ。ぼくが万年筆や筆記道具に興味をもっていた70年代から80年代も一部に熱心な愛好家がいたが、今ほどの広がりはなかった。


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モンブラン#149は同社のフラグシップ品番として70年以上の歴史がある。日本ではかつて文豪御用達アイテムとして知られ、社会人になるとあこがれから手に入れる輩も多かった。ぼくもそんな一人だ。初めて手にしたとき、書き味あれこれの前に、重厚な軸と豪奢なペン先の存在感に圧倒されたものだ。

久々にインクを入れてペンを走らせると、ちょっと気障だが、青春の一コマが蘇ってくるようで何とも懐かしい気分になった。40年前手に入れたときのインクボトルはその後形状が変わり、モダンなスタイルになったが、万年筆自体は何も変わっていない。進化、進化とうるさい世の中だが、変わらないことの貴重さをあらためて実感した次第。リフレッシュした万年筆とリニューアルした渋い色合いのミッドナイトブルーインクで、さて何を書きましょうか…


#149あれこれ




モンブラン社ハンブルク工場



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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