ベートーヴェン 弦楽五重奏曲ハ短調 作品104



先日来の流れで、きょうもベートーヴェンの室内楽。取り出したのはこの盤。


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ベートーヴェンの弦楽五重奏曲を二つ収めたアルバム。スークカルテットにヴィオラが加わっている。1976年録音のチェコ:スプラフォンレーベルの一枚。手持ちの盤は1983年にミッドプライスで出たときの盤。今夜はその中からハ短調作品104に針を降ろした。

好事家の方はご承知の通り、この曲はオリジナルの五重奏曲ではない。原曲はピアノ三重奏曲 変ホ長調作品1-3 。このLPの解説ではベートーヴェン自身の編曲と書かれているが、現在では他者の編曲によるものとされ、ベートーヴェンが僅かながら関わっている、というのが定説のようだ。曲は4つの楽章からなる。

第1楽章はベートーヴェンの名刺代わりとでもいうべきハ短調で書かれているが、原曲が初期の作品であることもあって、中期以降のような深刻な雰囲気はなく、冒頭はそこそこ悲劇的な開始ではあるが、展開の深さは程々。総じて短調調性のシンプルなフレーズが歌われる。第2楽章は民謡調の主題によるベートーヴェン得意の変奏曲。第3楽章は型通りメヌエットが置かれているが、軽やかな雰囲気はなく中々重厚な響きになっている。終楽章もソナタ形式で中身濃く書かれていて、充実した楽章だ。
楽譜を仔細に見比べたわけではないが、原曲のピアノパートをともかく弦楽に移植したものなのだろう。娯楽要素の高いサロンコンサート用の需要が多かった当時の音楽界にあっては、ピアノがなくても弦だけで演奏できるように、あるいは弦の得意な貴族向けに、といった要請から、本人作、他者作を問わず、こうしたアレンジが成り立っていたものと思う。原曲の曲想を尊重しながらも、仲間内のアンサンブルで楽しむといった雰囲気が感じられる。


WDR響のメンバーによる演奏


スコア付き音源


原曲のピアノトリオ作品1-3の第1楽章。 ピアノが入ると音楽が俄然色彩を帯びる。



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