アグアドの「再」弦交換 ノブロック→ ルシエール



つい先日、弦を張り替えたエルナンデス・イ・アグアド。そのとき使ったノブロック社エリサカス弦について…3弦5フレット以上の音色、鳴り方が楽器や自身の感性にマッチすれば良い選択肢になると思う…と結論めいたことを書いたが、結局アグアドとは今一つマッチせず、気分が上がらないまま弾き続けるのもナンだなあと思い、数日も経たないうちに取り外してしまった。やれやれと思いながら張り直し。選んだのはこの弦。


202309_Luthier.jpg


ルシエールのPopular Supuremeというモデル(ミディアムテンション)。ルシエールはもともとアメリカのメーカーだったが、数年前に創業者が亡くなり一旦事業を停止。幸いその後ほどなく、設備他をスペインに移設しmade in Spainの弦として再出発となった。ルシエール弦はフラメンコ用として重宝されていた弦で、ぼくもフラメンコギターに熱心な下北沢フォルテ楽器へ行った際、一度使ってみようかと思い手に入れた。

弦自体はフラメンコ用として何か特別な仕様になっているわけではない。パッケージにもClassical/Flamencoと記されている。高音弦は透明度の高いナイロン弦、低音弦は銀巻線で、いずれもごく一般的な外観だ。いつも通り3弦のみカーボン弦(例の釣り糸)に替え、二日ほどおいて初期の伸びが収まったところで音出し確認となった。

第一印象としてはごく標準的なミディアムテンションのナイロン弦という感触だが、少し弾いているとややテンションは低めで、手触りのゲージもやや細く感じる。高音の発音はすっきりと明快でサステインも良好。低音も反応よく明快で、太く重い低音ではない。総じて軽快で立ち上がりがよく、音量感も十分。成程これならフラメンコ用と言われるのもっともだと感じた。もちろん、クラシックギターとのして使うことに何の問題もないだろう。 外してしまったノブロックのエリサカスとは高音も低音も対照的な音色。ぼくのアグアドにはこの弦(通称ルシエールの赤)はよくマッチするようで、しばらくこのまま使ってみるつもりだ。


例によって参考にならないチョイ録り音源。楽器と弦の相性の良さの現れとして、1弦ローポジション、2弦中位ポジション、3弦ハイポジションとで同じフレーズを弾いた際、タッチの工夫でポジションに関わらず、かなり近い音色で発音させることができる(以下の動画の1分39秒から2分3秒あたり)。3弦ハイポジションだけ明らかに音色が変化してしまうことがなく、使いやすい。もっとも下記の音源では上述の通り3弦のみカーボン弦にしている。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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