ホロヴィッツ・オン・TV


一昨日の雨が去ったあと、夏日が戻る予報だったが、どうやらその気配はなく、残暑が長引いた昨年と違って、今年はもうはっきりと秋の到来だ。さて一週間が終わり、金曜の夜。明日は野望用で朝から出かける予定だが、もう少し夜更かししよう。このところ何を聴こうかと音盤の収まった棚を見回すものの、中々選べずに時間が過ぎることが多い。今夜もそうだった。管弦楽、弦楽四重奏、昭和歌謡、50年代ジャズ、あれこれ迷って取り出したのがこの盤だ。


R0010735 (640x427)  R0010733 (640x427)


ホロヴィッツ・オン・TV。このレコードについて語るほどの知識もないのだが、1968年2月1日にカーネギーホールで招待客を前にした公開録音のライヴとして有名な盤だ。その名の通りTVで放映され、多くの人々がホロヴィッツの演奏姿、手先の動き、そうしたものを目の当たりにした。1983年、まさかの来日公演が実現したものの、吉田秀和の有名な発言(下記追記参照)他、その演奏は賛否両論となり、そのリベンジからか1986年にも彼は来日した。ぼくは83年来日時の模様をテレビで観たくちだが、ピアノそのものやピアノ音楽に疎かった自分にも、その出来栄えはいささか難有りの記憶がある。1968年録音のこの盤ではその杞憂はなく、かつ選曲の良さから楽しめる1枚に仕上がっている。
ショパンは静かな語り口始まりながら、深い郷愁のこもったフレーズと、時折みせる静と動のギアチャンジが素晴らしい。スカルラッティも決して大きく構えず軽いタッチで弾いていて美しい。シューマンのアラベスクとトロイメライも憧憬に満ち楚々としたロマンティシズムが素晴らしい。ショパンの影響を受けて書かれたスクリャービンのエチュード嬰ニ短調では、悲劇的な熱情を存分に引き出している。最後には彼自作のカルメンヴァリエーションで華麗な技巧を披露している。
『ピアニストには3種類しかいない。ユダヤ人かホモか下手くそだ。』と言ったホロヴィッツ。発言の真意は知らないが、彼が下手くそでなかったことだけは明らかだ。


YouTubeにこのホロヴィッツ・オン・TVの映像があったの貼っておこう。




<追記>
83年に来日公演の際、NHKのインタヴューに答えた吉田秀和の発言が『ひびの入った骨董品』とされることが多い。しかし当時番組を見ていたぼくの記憶では『こういう演奏は、好きな人にとってはともかくいいんだろな。骨董品みたいに。でも骨董品にしても、ちょっとひび入ったなあ…』と言っていた記憶がある。ひびの入った骨董品としては同じかもしれないが、発言のニュアンスはだいぶ違うように思う。

↓↓にほんブログ村ランキングに参加中↓↓
↓↓↓↓ワンクリックお願いします↓↓↓↓
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村




関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)