ベルリオーズ「ハンガリー行進曲」



先日の記事に書いたジョージ・セル&クリーヴランド管のライヴ盤。当日のアンコールとして演奏されたベルリオーズ「ハンガリー行進曲」を久しぶりに聴いて思い出し、きょうは手持ちの盤でこの曲の聴き比べをしてみた。取り出したのは写真の三点。


202401_Hungarian_March.jpg


まずはサバリッシュ先生(1923-2013)。1987年にバイエルン国立歌劇場管と録音した管弦楽名曲集の中のもの。いかにもサバリッシュというべきか、終始インテンポをキープ。各パートともバランスを崩さず、教科書的模範演奏という感じだ。言い換えれば、この曲に多くのリスナーが求める即興的な味わいは乏しく、いささか精彩を欠く。欠点のない演奏だが、この曲を四角四面にやっても、「はい、そうですか」で終わってしまうお手本。

続いて、先日記事にしたジョージ・セル(1897-1970)&クリーヴランド管の1970年来日ライヴ盤。シベリウス交響曲第2番のあとアンコールとして演奏されたもの。おそらくシベリウスで最高潮に達した会場の熱気を受け、その勢いのまま演奏されたのだろう、冒頭から速めのテンポで進む。録音条件もあるだろうが、ややデッドながら響きは透明を極め、低域までよくとらえられているが、決して肥大化せず、このコンビらしい筋肉質とでもいうべき音響バランス。鉄壁のアンサンブルをキープしたまま終盤一気にテンポを上げ、そのまま大団円となるあたりは鳥肌物の名演だ。

最後はポール・パレー(1886-1979)&デトロイト交響楽団による盤。幻想交響曲とこの曲の他、「海賊「ローマの謝肉祭」「トロイアの人々>」が収録されている。1958~59年録音。音質の良さで知られたマーキュリー・リヴィングプレゼンスシリーズの一枚。冒頭から輝かしい音色と広々とした音場感に圧倒される。やや強調感があるとも言えるが、少なくてもこの手の曲には相応しい音作り。フランス系指揮者ながらドイツ物も得意にしたパレーらしくやや遅めのテンポとどっしりとした低重心の響き。ジワジワと緊張感を高めつつ終盤へ。一旦テンポを上げておきながら、最後の最後で一気にテンポを落とすギミックが飛び出し、これまた大興奮のエンディングとなる。

コンサートのアンコールで演奏される機会の多い「ハンガリー行進曲」。こういう曲こそ指揮者の料理次第で如何様にもなるサンプルだろう。セルやパレーがみせる即興的な運びこそ、この曲を聴く醍醐味だ。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



セルの1970年来日ライヴ盤の音源。グランカッサの裏打ちは2分42秒から。出来のよいオーディオシステムなら、小音量ながら部屋の空気を揺るがす響きが楽しめる。3分15秒辺りから一気にアチェルランド、3分35秒辺りからさらにテンポアップ。音楽が最高潮に達したところで3分52秒から大きくリタルランド。そして4分02秒でテンポを戻して駆け抜ける。


ポール・パレー&デトロイト響盤。後半3分45秒過ぎからギアチェンジ。さらに終盤4分過ぎからテンポを上げ、ピークに達した4分25秒過ぎから一気にテンポを落とす大胆な演出!



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

カレンダー
04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)