小澤&BSOのバルトーク



先日訃報にふれた小澤征爾(1935-2024)。ぼく自身は彼の熱心なファンというわけではなかったが、手元には何枚かの盤がある。きょう取り出したのはかつての手兵ボストン交響楽団(BSO)を振って録音したバルトークの管弦楽曲集。この盤も発売当時買ったものではなく、例によって二十年近く前、出張帰りに梅田の中古レコード店で手に入れた。


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発売当時から印象に残っている中々強烈なジャケットデザイン。ライナーノーツにはジャケットデザイン:ペート・ハルメンと記されている。ぼくは寡聞にして知らないが、一度見たら忘れないジャケットの一つだろう。この盤が録音された1975年頃といえば、小澤とボストン響は蜜月時代を経てドイツグラモフォンから次々と新録音をリリースしていた時期だったと記憶している。振り返ってみても小澤征爾の仕事の中でもっとも充実していた時期に違いない。両曲ともアナログ最終期の素晴らしい録音。60年代の独グラモフォンサウンドとは違って、安定した低音を残しながらも、各パートの分離が明瞭で打楽器群もクリアに入っている。

この盤に収められたバルトークの2曲「中国の不思議な役人」と「弦、打楽器とチェレスタのための音楽」は、明快で切れのいい音楽作りをしていた当時の小澤征爾にはぴったりの曲目だ。「中国の不思議な役人」を最初に聴いたのは学生時代のFMだった。音楽はともかく、まずそのタイトルがそのまま実に不思議で印象に残った。後年、役人(=宦官)と売春婦と殺し屋が登場人物という中々過激な内容のパントマイム付帯の音楽だと知った。こうして音楽だけ聴いて、そのパントマイムを想像するのも中々面白い。音楽はバルトークの土俗的な民族色よりは、ストラヴィンスキー風のバーヴァリズムを感じる。もっとも、何百回と聴いているベートーヴェンやブラームスなら何曲もある交響曲全部を鼻歌で歌えそうだが、当然こういう曲にはそこまで馴染みはない。いつか、ひと月連続で毎晩聴いてみようかしらん。

「弦、打楽器とチェレスタのための音楽」通称「弦チェレ」の方は学生時代からライナー&シカゴ響のLPに親しんでいて、ずっと馴染みがある。この曲はまず冒頭のフーガ風の導入部がいい。何度聴いてもゾクゾクとしてくるイントロダクションだ。第2部に入るとバルトーク節全開となって突っ走る。第3部の神秘的なノクターンを経て第4部へ。ここでは再びエネルギッシュなリズムにのって民族的なフレーズが歌われる。飽きずに30分があっという間に過ぎてしまう。それにしてもこんな曲のスコアを暗譜して、複雑なアインザッツを指示しながらオケをコントロール出来たら、さぞ面白いだろう。


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この盤の音源「中国の不思議な役人」  英LP盤をCTC社による、Garrard301をベースにSMEの12インチアームで鳴らすシステム。ヴィンテージマニア垂涎のシステム。


同 「弦、打楽器とチェレスタのための音楽」



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