インバル&フランクフルト放響 マーラー第5交響曲嬰ハ短調



寒さが戻り、小雪もちらつく週末金曜日。暖を取りつつアンプを灯を入れ、この盤をプレイヤーにセットした。


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エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団(一時期hr交響楽団に改称したが、数年前から再び旧来の呼称が公式名になった)によるマーラーの交響曲第5番嬰ハ短調。1986年1月の録音。手持ちの盤は2000年代初頭に日本コロンビアの廉価盤シリーズCREST1000としてリリースされたときのもの。

エリアフ・インバル(1936-)といえば、70年代半ばからその名が知られ始め、80年代以降、マーラーやブルックナー、ショスタコーヴィッチなどの大曲を次々に録音し、手兵フランクフルト放響と共に大いに人気を博した。ぼくが彼の名を知ったのは学生だった70年代後半で、NHK-FMで紹介される現地のライヴ録音で聴いたマーラーの第2交響曲が最初だった。4畳半下宿で聴く現地の放送音源による演奏は貧弱なオーディオセットにも関わらず実に生々しく熱気を帯びていて、これが本場のライヴ演奏か、これが本場の響きかと興奮を覚えたものだ。その後80年代になってインバルとフランクフルト放響のコンビによる大曲の録音が次々にリリースされた。 この盤も一連のマーラー録音中の一枚で、他の盤同様、当時デジタル録音で世界の先駆だった日本コロンビア(DENON)が現地に乗り込んでヘッセン放送との共同制作として録音された。発売当初から録音の良さでも知られ、オーディオ機器の音質評価用のディスクとしてもよく使われていた。

久しぶり聴いたが、やはり素晴らしい録音だ。ワンポイント録音の手本のような音で、第1楽章冒頭のトランペットから、録音会場のフランクフルト:アルテ・オパーの空間を感じさせる。過剰になりがちなホールエコーを程よく制御しながら細部も克明にとらえ、全体としてまとまりのある音に仕上げられている。 演奏もそうした録音特性にピタリと合致するように、オーケストラを豊かに鳴らしながらも決して全体のバランスを崩さず、かつ弱音で奏される細部も明瞭に提示される。マーラーというと、とかく熱量が多くエネルギッシュな解釈と音響が表に出るケースも多いが、この演奏はその対極だ。高揚感や音響ボリュームはしっかり感じさせるものの、演奏全体に常にすっきりとした見通しのよさがある。曲の解釈、演奏のパフォーマンス、そして録音技術。それら三者が理想的に組み合わされ、力を発揮した素晴らしい演奏記録だ。


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この盤の音源。全5楽章


このコンビによる同曲の来日ライヴ。この盤録音の翌年1987年サントリーホール



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