ストラヴィンスキー ハ調の交響曲



月が改まって令和六年弥生三月。このところ冬に戻ったかのような寒い日が続いているが、数週間後には桜の季節。早晩暖かくなるだろう。 さて、このところマーラーを続けて聴いていたので、きょうはちょっと気分転換。音盤棚を見渡し、この盤を取り出した。


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イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)のハ調の交響曲(Symphonie en ut)。エルネスト・アンセルメ(1883-1969)指揮スイスロマンド管弦楽団による1960年の録音。数年前、勢い余って大人買いした全3巻のアンセルメボックス中のロシア音楽集に収められているもの。ロシア音楽集はCD33枚組で、そのうちストラヴィンスキー作品は半数以上の18枚を占めている。きょう取り出した#20のディスクにはハ調の交響曲、三楽章の交響曲、管楽器のための交響曲の三つの交響曲が収められている。


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ストラヴィンスキーというともっぱらバレエ三部作ばかりが有名だが、その他にも多くの曲が残されている…と書いておいてナンだが、ぼく自身もこのアンセルメのボックスセットを手にするまでは「その他」の多くの曲に親しむこともなかった。ハ調の交響曲もそんな曲の一つで、大昔にはFMエアチェックのテープで何度か聴いた記憶はあるものの、まともな音で相対して聴くに至ったのは最近のことだ。

ストラヴィンスキーはその生涯でいくつかの作風を採ったが、ハ調の交響曲は全体に古典的様式感と新古典的和声感で貫かれていて、近代の音楽として初めてストラヴィンスキーを耳にする向きにも違和感なく受け入れられる響きをもっている。といってもプルチネルラほど懐古的ではなく、響きとしては十分に近代的で、古典を聴く安心感と近代を聴く緊張感とが程よくミッスクされていて、飽きることがない。

第1楽章の冒頭から印象的なモチーフで開始して、すぐに惹きつけられる。第2楽章はLarghetto concertanteと指定され、独奏楽器のソロが織り成す抒情的なフレーズが美しい。第3楽章のスケルツォは変拍子が交錯し、この曲の中ではもっともストラヴィンスキー的と感じる。終楽章はローブラスのゆっくりとした序奏のあと、弦楽器群が決然としたテーマと奏でて始まり、第1楽章のモチーフも回顧しながら盛り上がり、最後は静かなコラールで曲を閉じる。

ストラヴィンスキーの多くの曲の初演者であるアンセルメ指揮のこの盤の演奏は、交響作品というよりは、まるで室内楽のように落ち着いた響きで全曲を貫いている。1960年のデッカ録音ということもあって、鮮明で分離の良い録音もこうした解釈に一役買っていて、均整の取れた古典的な様式感で美しく聴かせてくれる。


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この盤の音源。ハ調の交響曲全4楽章。


カラヤン&BPO盤の楽譜付き音源。よりダイナミックで現代的な解釈。



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