マイ・ギター<その3> 故・水原洋 2003年作 ラコートレプリカ
マイ・ギター3本目の紹介をしよう。きょう紹介するのはこれまでのギターと少し違う形をしているのがお分かりだろうか。現在一般に使われているクラシックギターの原型は19世紀後半に、スペインの製作家アントニオ・デ・トーレスが作り、20世紀になった定着した。それまではこの写真のような、やや細身でコンパクトなギターが一般的だった。このタイプのギターは現代のモダンギターと区別するため『19世紀ギター』あるいは『ロマンティックスタイルギター』と通称されている。


90年代に入ってからだろうか、現代の製作家がレプリカを作ったり、当時の楽器を修復するようになって、プロ・アマ問わず、こうしたスタイルの楽器で当時の音楽を奏でることが一つのブームとなった。弦楽器一般にあるオリジナル楽器への回帰の一つともいえる。
この楽器は盛岡でギター製作をしていた水原洋さんに、2003年春に作ってもらったものだ。弦長は635mmでオーダーし、松の表板は少々アンティークな色合いのセラックで仕上げてもらった。水原さんは当時、19世紀ギターの製作や修復では日本の第一人者といってよい存在であった。しかし大変残念なことに、このギターが出来上がった直後に病に侵され、一旦は回復に向かったものの2006年に世を去った。享年46歳。2003年秋の弦楽器フェア会場では、ギターのお礼をいい、そのとき修復した古いフランス製のギターの説明をしてくれたのが、お会いした最後であった。
このタイプのギターで作曲をしたソルやジュリアーニらの作品を演奏すると、いかにも古典から初期ロマン派の薫り高い曲想が浮き立ってくる。あるいはもっと古いバロックやルネッサンス期のリュートの作品やバロックギターの作品を弾いてもよく合う。今夜は久しぶりにこの楽器を取り出して、アントン・ロジーの組曲イ短調でも弾いてみよう。



90年代に入ってからだろうか、現代の製作家がレプリカを作ったり、当時の楽器を修復するようになって、プロ・アマ問わず、こうしたスタイルの楽器で当時の音楽を奏でることが一つのブームとなった。弦楽器一般にあるオリジナル楽器への回帰の一つともいえる。
この楽器は盛岡でギター製作をしていた水原洋さんに、2003年春に作ってもらったものだ。弦長は635mmでオーダーし、松の表板は少々アンティークな色合いのセラックで仕上げてもらった。水原さんは当時、19世紀ギターの製作や修復では日本の第一人者といってよい存在であった。しかし大変残念なことに、このギターが出来上がった直後に病に侵され、一旦は回復に向かったものの2006年に世を去った。享年46歳。2003年秋の弦楽器フェア会場では、ギターのお礼をいい、そのとき修復した古いフランス製のギターの説明をしてくれたのが、お会いした最後であった。
このタイプのギターで作曲をしたソルやジュリアーニらの作品を演奏すると、いかにも古典から初期ロマン派の薫り高い曲想が浮き立ってくる。あるいはもっと古いバロックやルネッサンス期のリュートの作品やバロックギターの作品を弾いてもよく合う。今夜は久しぶりにこの楽器を取り出して、アントン・ロジーの組曲イ短調でも弾いてみよう。
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