ジュリアン・ブリームの初期録音


ブログタイトルの看板に偽り無きよう、たまにはギターネタを。
少し前に手に入れたボックスセットに加え、以前から持っていたLPなど、このところジュリアン・ブリームの盤を聴き直している。今夜は隣り町のギター指導者A先生からお借りした比較的初期の2枚組のレコードからバッハを聴いている。1967年発売の盤で豪華な見開きジャケット。松田二郎が紹介文を、京本輔矩が曲目解説を書いている。しかも収録曲の楽譜が載っているあたりが当時のギター音楽への姿勢と意気込みを感じる。収録曲は、バッハのシャコンヌ、組曲ホ短調からサラバンドとブーレ、前奏曲・フーガ・アレグロなど、ヴィラ・ローボスの5つの前奏曲、トゥリーナのタレガ賛歌、モレノ・トローバのソナチネ、いくつかのソルの作品など収められている。前記のボックスセットには含まれていないシャコンヌが珍しい。残念ながらこの盤には録音に関する詳細のクレジットがないが、他の資料などからして、いずれも50年代後半から60年代初頭の録音、シャコンヌはモノラルなので1956年録音の音源と思われる。


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録音当時の20代後半から30代前半だったブリームだが、バッハはいずれも落ち着いた運びで、後年の印象とはやや異なる。テンポは決して急がず、かつ正確なビートにのって弾いている。ギター的な崩しや方言とも言えるような歌い回しはほとんどない。後年、やや主情的な歌いまわしや、フレーズの切り替えで見得を切るようなところが出てくるブリームだが、この盤のバッハではそれを感じない。中ではニ長調で弾かれる前奏曲・フーガ・アレグロがいい。前奏曲は明るさに満ち、弾いていても気持ちのいい曲だが、ブリームはやや押さえ気味に淡々と弾き進めている。フーガもしかりでテンポは安定していて、とかくギター弾きの弱点と言われる拍節感もしっかりしている。アレグロでは一転して闊達な表情を見せるが急がずに進む。現代の若いテクニシャンならもっと快速調で飛ばすところだろうが、アレグロとはいえ勢いで弾き急がず、一つ一つの音の丁寧に弾き進める若きブリームはやはり中々のものだ。1960年前後のギター界を想像すると、こうした普遍的なバッハ解釈は革新的だったに違いない。

BWV1001のフーガを弾いている動画を貼っておこう。弾いている楽器はロマニリョス。ロゼッタのアラベスク模様からそれと分かる。いつ頃の演奏だろうか。90年代、交通事故に遭う前頃だろうか。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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