本年述懐 <六弦編>
きょうあすで今年も終わる。ありきたりの表現だが長いようで短い、短いようで長い一年だった。三月の震災を起点にするとあっという間の感が強い。公私共に思い悩む事も多々あったが、こうして年の瀬にぬくぬくとPCに向かっていられる幸せを素直に感謝しよう。
さて本年述懐。きょうはブログタイトルのうち<六弦編>、すなわちマイ・ギターライフを振り返る。クラシックギターを始めたのは1970年高校一年のときだから、足掛け四十年ということになる。といっても長いブランクもあり、本格再開したのは数年前のことだ。そんな中、今年は我が六弦人生において中々実りの多い一年だった。
■ 三十年ぶりに人前で演奏
ひょんなことでソーシャルネットワークサービスmixiの仲間内で開く発表会に参加することになった。発表会は毎月各所で開かれるのだが、今年は3月からこれまでで計5回参加した。学生時代や社会人になって間もなくの頃何度かちょっとしたステージを踏んだが、以降はまったくのコタツギタリスト状態だった。久々に人前に弾いてみると、自宅で難なく弾けていた曲でボロボロになり苦杯をなめた。若いときと違って妙に心理的プレッシャが加わることを実感。それでも場数を踏むうちに最近はいくらか落ち着きを持って弾けるようになった。12月には隣り町高崎で行われた300名ほど入った演奏会で主催者のI先生と二重奏を弾く機会もあった。


■ 旧友Y氏と三十年ぶりに再会
これもmixiが取持つ縁で、高校・大学を通じて1年先輩だったギター仲間のY氏と三十年ぶりに再会した。彼は学生時代からギターの名手であったが、加えて今では楽譜や楽器他ギター全般の博学ぶりと古い楽器のコレクションは、おそらく日本でも三本の指に入るだろう。彼とは2月に再会し3月にはmixiの発表会でパガニーニの『ソナタ・コンツェルタータ』のギター二重奏版を弾いた。7月にはJ.K.メルツの『3つの挽歌』を、8月にはメルツの再演とカルリの作品34-2『ラルゴとロンド』を、9月にはカルリとパガニーニを再演、いずれもmixiの発表会で弾いた。彼との二重奏では19世紀の古典ギター全盛期の作品を当時のスタイルで弾くべく、楽器は19世紀タイプとし弦やピッチにもこだわって演奏している。19世紀ギターはここ10年ほど一つのムーブメントであるが、二重奏はまだ珍しいだろう。

■ 19世紀オリジナルギター入手
19世紀タイプのギターに興味を持ったのはギターを再開し始めた2002年頃だったろうか。オリジナルの入手は無理と思い、19世紀ギターの製作で知られていた盛岡の水原洋氏に注文してラコートのレプリカを作ってもらった。しかし近年はあまり手にすることもなく、手放そうかなと思っていた矢先に上記のY氏と再会。彼と19世紀ギターで二重奏をすることになって再び手にすることになった。その後彼のつてで古楽器奏者の竹内太郎さんと知遇を得て、19世紀当時のオリジナル楽器を紹介していただき5月に仏ラミー社のギターを手に入れた。時代を経た音といったらいいだろうか、100年以上の時を経て生き残った楽器から繰り出される音は、弾き手の感覚を自然と19世紀ヨーロッパ古典音楽の世界に引き込む。7月と10月にも縁あってオリジナルの19世紀ギターが手元にやってきた。仏系、独墺系、それぞれに味わい深い。

…と振り返ってみると、ことギターに関しては冒頭書いた通り、中々実り多く画期的な一年だった。来年は出来得れば今年以上に演奏機会を増やし、ソロのきちんとしたレパートリーも増やしたい。19世紀ギターによる二重奏は発展的に継続し、オリジナル楽器の響きをうまく弾き出す奏法と演奏に心がけよう。
とうことで本年述懐<六弦編>は終了。あす大晦日は<音曲編>を予定している。
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