バッハ 無伴奏チェロ組曲・ギター版の演奏


年末年始の休みが終わり、きょうが仕事始め。世間ではまだ休みのところも多いのか会社まで37kmある通勤路はガラガラで、いつもより15分ほど早く会社に着いた。当地北関東はこれから2月初旬までが寒さのピーク。きょうも職場の事務所は暖房用エアコンの効きが今ひとつで寒い一日だった。帰宅後夕飯を済ませ風呂で温まってようやく生気を取り戻した。
ところでさきほどブログの管理画面をみて少々びっくり。きょう一日のアクセスが100を超えていた。正月休みに帰省していた人達が戻ってきてアクセスしてくれたのだろうか。初めての三桁御礼。といっても何も出ませんが…。引き続きアクセス、<クラシック音楽鑑賞>のバナークリックなど、宜しくお願いしま~す。
さて今夜は早く帰宅したので少々ギターも練習。メカニックな半音階スケールでひとしきり指慣らしをしたあと、バッハ無伴奏チェロ組曲の第1番をプレリュードから順にさらった。


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去年の夏以降この曲の楽譜をいくつか手に入れて、昔から手元にある小船幸次郎の版と見比べながら弾いているのだが、どの版にしようか決めかねている。佐々木忠版は原曲ト長調に近い一音違いのイ長調を選び、更に低音の音域確保のためイ長調ながら6弦をDに下げている。その結果、全体に落ち着いた響きでチェロによる原曲の音響イメージ近い。イエーツ版はハ長調。原曲への付加音が比較的少なくすっきりした印象で悪くないが、ハ長調という調性はギターでは案外弾きにくいところがある。以前CDを取り上げたヴァンゲンハイムの版もどんなものか気になる。そんなこんなで、結局見慣れている40年前の小船幸次郎版を使い、不自然に感じる付加音を省きながら弾いて様子をみている。こんな状態だから中々先に進まないし、暗譜もほど遠い。

バッハの無伴奏(ヴァイオリンでもチェロでも)をギターで演奏する際の基本方針として、単音スケール主体のチェロの特性と、容易に和音を出せるギターの特性とから、原曲から感じ取れる和声感を補う形で音を付加することが一般的に行なわれている。しかしその付加が編曲者なりの理屈と感性によるため100%承服しがたいこともしばしばだ。ぼく自身は出来るだけ音の追加を少なくし、あるいはまったく付加せず、フレーズのアーティキュレーションに注力し、単音スケール主体でギターの音色を生かして弾ければと思っているが、多分これが一番難しいだろう。

以前シャコンヌの演奏で取り上げたアイルランドのギタリスト;ジョン・フィーリーが弾く無伴奏チェロがあったので貼っておこう。楽譜も出版されている様子。適確なアーティキュレーションが施され、かつ美しい音色の素晴らしい演奏だと思う。使用楽器はフィーリーの他、ベニタ・ロハスやシャロン・イスビンも使っているというマイケル・オライリー作のギターだ




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No title

こんばんは、
私は今、第2番BWV1008のリュート編に取り組んでいるところです。
楽譜は師匠編曲のト短調編ですが、譜をおこすのも大変ですね;
原曲をよく把握し、バロックリュートのバス弦を活用しながら、適切なバス旋律を繋げていき、リュートにとって自然に再構築するような作業です。そのあと、難しい練習を重ねるわけで、オルジナル曲よりも数倍大変ですね。

Re: No title

michaelさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

BWV1008はプレリュードの出だしから、深く瞑想的なフレーズで思わず引き込まれますね。
全音から出ている佐々木忠編のギター版がト短調でアレンジしています。私がとうの昔にリュートをあきらめたクチですが、バロック調弦でバス弦を使いながら弾くと、この曲の深い曲想がさらに生きてきそうです。

あけましておめでとうございます

久しぶりですね。
開設当初から拝読しております。
私はいつも佐々木忠編の無伴奏チェロ組曲を練習しています。
1番・2番・4番が好きですが、どれだけ練習しても一向に上達しません。
まあ、いくら弾いても飽きないし一生弾き続けても完成しないのがバッハの良さですね。

Re: あけましておめでとうございます

こだわりのギター弾きさん、こんにちは。
お久しぶりです。今年も引き続き宜しくお願いいたします。
佐々木編の楽譜が出たのはもう10年も前のことのようですが、私はその頃まだギターにカムバックしていなかったので、手にしたのはつい最近です。佐々木編も中々<こわだり>をもって編曲されていますね。まあ、オリジナルに対して音を足すことからして、何が決定稿というものはないのかもしれません。弾き手の感性に合うものを選択するということですね。私など楽譜を見比べるばかりで一向に練習は進まず、暗譜もかないません(-.-;

そういえば、こだわりのギター弾きさんのブログで、例のデジタルアンプの話題が出ていましたが、どうやらすぐに売り切れ、少々プレミアが付いてヤフオクに出ているようです。それほどもものでもないと思いますけど。
Toppingの中華デジタルアンプはしっかりしてケースに入っていて良さそうですよ。

No title

>深く瞑想的なフレーズで思わず引き込まれますね
音の消えていくリュートでこの雰囲気を出すのが難しいですね;
1007ならアルペッジョ音形で合う感じですが、意外に難しい部分もあります。
私の使っている楽器達ですが、
http://mkraus1.typepad.jp/files/lute.jpg
バッハで使うのは③か④です、調弦は同じでも響き方が違うので持ち替えると表現までかわって練習しなおしになります;

Re: No title

> >深く瞑想的なフレーズで思わず引き込まれますね
> 音の消えていくリュートでこの雰囲気を出すのが難しいですね;

残響のある響きのいい部屋、ローカルの小さな教会あたりで弾くとリュートの音が冴えわたると思います。私が弾いている19世紀ギターも同様です。余韻は少なめですが、響きのいい部屋で弾くと、コロコロととても気持ちよく響きます。

リュートの写真も拝見。本格的ですね。国内の製作家によるものですか?それもとイギリスあたりの?
古楽器奏者のTさんと少々懇意にさせていただいておりますが、HPに参考になる記事がたくさんあります。

http://www.crane.gr.jp/~tarolute/


No title

楽器は①と④が日本、②がイギリス、③がスイスです。
②の11コースは、そのTさんから譲りうけたものです。
19世紀ギターも良い楽器はオリジナルをよく再現していると思いますが、②もそんな楽器に思います。③もさすがに文化に浸った国の楽器です。
ただ、扱いに気を付けないと故障しやすいです、
日本製は日本の気候に耐えることも考慮されているようで、故障や変形は少ないですね。

Re: No title

そうですが、やはりTさんから…
日本と欧州は気象条件が決定的に違いますからね。材料で寝かしている時点から。
19世紀ギターのオリジナルは、100年の歳月を経て生き残っているので、そう簡単に壊れたりはしないようですが、夏場の湿度の高い時期は、鳴りが悪かったり、ペグが不調だったりと、みなさん悩まされるようです。

原調でも意外に

はじめまして、愛知のこんにゃく申します

私は以前リュートをやっていましたが、そのときの副産物(?)で、
ギターに戻った今でも低音譜がなんとか読めますのでチェロ譜を見ながら弾いています。といいましても、私は特に原調にはこだわりませんので、ギターは平均律の楽器ですし、どんな調でも楽器に合えばいいのかなとも思いますが、ト長調やイ長調の低めの音高で聴くと、セゴビアなどで昔から親しんだニ長調版とはまた違った味わいも感じました。

Re: 原調でも意外に

こんにゃくさん、初めまして。
コメントありがとうございます。

一番ポピュラーなニ長調に親しんでいますが、私も原調にこだわりませんし、絶対音感もないので、いろいろ試しているところです。

> ギターに戻った今でも低音譜がなんとか読めますのでチェロ譜を見ながら弾いています。

私もたまたま学生時代にマンドリン系の低音楽器;マンドチェロという楽器を弾いていたので、低音記号はギターでもまずまず弾けます。そこで、ギターの3~6弦をチェロと同じ、A-D-G-Cに調弦して、元譜をそのまま弾いてみたらどうかと思い、最近少しトライしています。そのうち感想を書いてみますね。



プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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