ベーム&ベルリンフィル モーツァルト 交響曲第35・32・38番


当地北関東地方は雨模様の週末。ずっと乾燥注意報が出ていて楽器の扱いにも気を使っていたが久々の雨で一服だ。日曜のきょうは雨もあがり、ときおり陽射しものぞいて天気回復の兆し。週明けからは再び西高東低の冬型になって冬晴れと寒さ復活か。もうしばらく寒さのピークが続く。
さて日曜の昼下がり、ちょっと出かけて隣り町のカフェで珈琲とケーキを楽しみ、帰宅後日暮れまでの時間、アンプの灯を入れてレコードを聴くことにした。取り出したのはカール・ベームがベルリンフィルを振って録音した一連のモーツァルト交響曲録音の中の1枚だ。


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カール・ベームはこのブログでも何度か取り上げた。70年代に音楽に目覚めたぼくら世代やその上の世代には懐かしく、思い出の多い指揮者だ。特に晩年はウィーンフィルとの来日で絶大な人気を博した。しかしベームをよく知る人に言わせると、晩年のベームはいささか老境に過ぎ面白くない、真骨頂は60年代までとの評も多い。このベルリンフィルとの録音は60年代半ばのもので、ベームもまだまだ元気だったし、ベルリンフィルもカラヤンを迎えて10年近く経つものの、往時のドイツらしさを色濃く残している時期の録音だ。
この盤には久々に針を落としたのだが、第35番「ハフナー」は予想以上に速めのテンポで颯爽とした演奏だ。モーツァルト25歳のときの若々しい曲想に相応しい。ほぼインテンポで曲を進め、硬軟どちらかに寄っている感じはなく、きっちりした楷書の演奏という印象。ベルリンフィルの音は同時期のカラヤンとの録音に比べずっと引き締まっていて、録音条件の違いだけでなくベームが意図的にそうした音色を求めていたことが想像できる。
第36番「プラハ」も素晴らしい演奏だ。この曲の聴きどころ、第1楽章のアダージョの序奏部も甘ったるさは皆無。引き締まった造形美という言葉が相応しい。対位法的なパッセージでは各声部の入りがきっちりとしたアインザッツで整い、聴き手のこちらも背筋を伸ばしたくなる。このコンビは全集を残した。手元にあるのは後年中古レコード店で買い求めた数枚だけだが、60年代のドイツ風モーツァルト演奏を伝える貴重な記録だ。こうした演奏を聴くと、晩年のウィーンフィルとの演奏はやはりいささかぬるく感じてしまう。ウィーンフィルの美しい音色は魅力だろうが、音楽の骨格が曖昧で響き全体がメタボな印象をぬぐえない。

ベームの映像は相当数がYouTubeで見られるが、ここではナチス時代にプロパガンダ用のものを元に作られたと思われる映像を貼っておく。若々しい40代のベームがリスト作曲「前奏曲」の終盤を指揮する姿が見られる。テレビで見慣れた晩年の指揮振りの特徴もすでに現れている。独語にはまったく不案内だが、この映像がステレオの実験放送の模様を伝えている旨のナレーションが聴き取れる。冒頭、ゲッペルスの前に2本のマイクが置かれていることからもそれと分かる。後半は、滅茶苦茶速いエスパニア・カーニ、同盟国イタリアのベニスの謝肉祭。




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No title

こんばんは
私もこのLPは持っていました(例によって消失しましたが;)
おっしゃるとおり、K.ベームは後年のVPOとの録音より、この時代BPOとのものが断然好きです。演奏内容、グラモフォン・サウンドともに黄金期で。

私が購入した盤はB面「プラハ」が内周ギリギリまでカッティングされていて、終楽章最後あたりの針トレースがきつかったです。高性能プレーヤーなら問題ないのか?使ったことがないのでわかりませんが・・

Re: No title

> 私もこのLPは持っていました(例によって消失しましたが;)

うかがう度に、残念な思いになります。
私は、70年代の学生時代には当然ながら小遣いもなくレコードは中々買えず、80~90年代は仕事でギターや音楽から少々遠ざかっていたので、その間もあまりコレクションは増えず、結局40代後半になった10年ほど前から、それまでのうっぷんは晴らすように音盤を集めました。といってもほとんどが中古レコードです。70年代には高値の花だったメジャーレーベルのレギュラープライスも、みな二束三文で入手できました。


> 私が購入した盤はB面「プラハ」が内周ギリギリまでカッティングされていて、終楽章最後あたりの針トレースがきつかったです。高性能プレーヤーなら問題ないのか?使ったことがないのでわかりませんが・・

手元の盤を確認したところ、プラハの方がカッティングには余裕がありました。きょうは耳をそばだてて聴いていたわけではないので、よくは分かりませんが、問題なくトレースしていたようです。まあ、レコード再生は温度や湿度などで微妙に変りますけどね。

プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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