コンヴィチュニー&ライプツィッヒゲバントハウス管弦楽団 ベートーヴェン交響曲全集
寒波おさまらず、今週末にかけて更に寒気団到来とのこと。当地関東平野部では寒い寒いとぶつぶつ言っているだけだが、日本海側はそれでは済まない。家屋周辺の雪かき、屋根雪下ろしと大変だ。学生時代を日本海側で過ごし、冬期の太平洋側・日本海側の差を実体験している者としては、その辺りの感覚はよく分かる。風土・文化の違いが出来てくるのも当然だ。


さて通勤時の車内リスニング。先週のパウル・クレツキ&チェコフィルハーモニーのベートーヴェンを終え、今週は同じベートーヴェンながら、ちょいシブのフランツ・コンヴィチュニー&ライプツィッヒ・ゲバントハウス管弦楽団の盤を聴いている。10年ほど前に出た写真のボックスセット(現在は廃盤の様子)。同コンビによるベートーヴェンとシューマンの交響曲全曲や序曲類のほか、オイストラフ親子がソロをとるバッハやモーツァルトのヴァイオリン協奏曲などが収めれれている。ぼくらのクラシックファンにとっては、コンヴィチュニー&ライプツィッヒゲバントハウス管と聴くだけで東独のシブい演奏をイメージする。実際コンヴィチュニーはフルトヴェングラー時代の同オケでヴィオラを弾きその後指揮者に転向。旧東独内の歌劇場でキャリアを積み、シュターツカペレドレスデンではマタチッチの、またシュターツカペレベルリンではスウィトナーの前の代の首席を務めた。キャリアとしては完全にドイツの伝統的なカペルマイスターだ。
そんなシブく古臭いイメージを持ってこの盤のベートーヴェンを聴くと、実はあっけなく裏切られる。久々に同コンビのベートーヴェン交響曲第2番を聴いたが、その溌剌とした演奏に驚いた。ドイツの伝統的なオケらしく弦楽をベースにした響きで、しかもそれが予想以上に引き締まっていて、正に筋肉質の響きだ。アンサンブルも素晴らしく、アインザッツに曖昧なところは皆無。ビシッビシッと縦の線が決まる。1960年の録音だがコントラバスの最低音も控え目ながらしっかり捕らえられて安定感は万全だ。木管はやや遠目の音像で落ち着いた音色。金管群も派手さはないがここぞというところで突き抜けるように強奏してオケ全体の緊張感を更に高める。テンポ設定も実のオーソドックスながら最終楽章などはmolte e vivaceの指示を反映するように実に快速調で、コーダの追い込みも素晴らしい。一方で色気を出してメロディーを甘く歌おうなどという媚びは皆無。これぞドイツ伝統の響きということだろうか。いや~、恐れ入りました。
幸い同コンビの多くの録音がYouTube音源で聴ける。
ここではきょう車中でも聴いた第2番の第1楽章を貼っておく。提示部を繰り返したあとの展開部に入って短調に転調する辺り(7分50秒過ぎ)からの緊張感はこの曲を聴く醍醐味の一つだ。
ついでに第2楽章も。ベートーヴェンが書いた緩叙楽章の中でもひときわ美しい楽章だ。
ワルターのように甘美に歌ったりはしていない。
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