グスタフ・レオンハルト フローベルガー/チェンバロ名曲集
水ぬるむ…にはまだ程遠いが、日曜のきょうは長く続いた寒波が去り、終日穏やかな日和だった。午後は愛器;田邊ギターの弦を交換。弦をはずしたついで楽器クリーニングをし、フレットも磨いてリフレッシュ。そのあとひとしきり練習をしているうちに夕暮れとなった。このままサザエさんシンドロームの時間に突入するのもどうしたものか、1枚だけレコードを聴くことにした。


取り出したのはつい先日1月16日に亡くなったオランダのチェンバロ奏者;グスタフ・レオンハルトがドイツ・バロックの雄;ヨハン・ヤーコブ・フローベルガーのチェンバロ曲を弾いたLP。1962年独ハルモニアムンデの録音だ。数年前、出張帰りに大阪梅田の中古レコード店で買い求めた記憶がある。
フローベルガーは同時期に活躍したブクステフーデやハッヘルベルと共に17世紀後半バッハ登場前夜のドイツ・バロック期を代表する作曲家だ。この盤には彼のチェンバロ曲から組曲3曲の他、トッカータやファンタジアなどが数曲収められている。中でも組曲は聴き応え十分だ。すでにフランスで流行っていた舞曲形式の組曲から、アルマンド~クーラント~サラバンド~ジーグを基本構成として30曲の組曲を残したと高野紀子女史がライナーノーツに書いている。この盤に収録されているのは第1番、12番、15番の3曲。作曲時期に違いはあるが、いすれも哀歌を思わせる旋律に豊かな和声と装飾句が絡み、美しい。名手レオンハルトの演奏を云々できるほどチェンバロや当時の演奏様式の知識を持ち合わせないが、多分耳に届く印象的な装飾音のうち相当数を即興で弾いているものと思う。当時はオルガンやチャンバロ奏者、また隆盛期を過ぎつつあったリュートの奏者も、即興演奏や自在な装飾音を我がものにしようと研究し努力していたのだろう。
この時代のチャンバロ曲はリュートやギターで弾いても曲によってはいい味わいになる。実際フローベルガーも旅先でゴーティエに代表されるリュート音楽に接していたと記録にもあるようだ。
こちらはYouTubeにあったリュートによる演奏。かつて10コースのルネッサンスリュートを所有していたが、ものにならずに手放した。こういう演奏を聴くとまた弾いてみたくなる。
こちらはモダンギターを使った演奏。弾き手はイタリアの名手;ステファノ・グロンドーナだ。
グランドーナはフローベルガーの曲をいくつか録音している。
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