コシュラー&スロヴァキアフィル モーツァルト 交響曲第25・41番


朝から太陽が出たり引っ込んだりと落ち着かない天気。陽光まぶしいというほどではないが、寒さもいくらか後退し、部屋の中は暖房なしでも快適に過ごせる。日曜の昼下がり。先日のスラヴ舞曲の記事に対してnarkejpさんが寄せてくれたコメントの中に、ノイマンと同じくチェコの指揮者ズデニェック・コシュラーの名前が出てきたの思い出し、彼の盤を取り出した。


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コシュラーは1928年生まれ。1956年のブザンソン指揮者コンクールで優勝している。ちなみに小澤征爾の優勝が1959年。チェコを中心に活躍し日本のオケにも度々客演した。スター性とは縁がないものの堅実で中庸を心得たマエストロという印象であったが、残念なことに1995年に67歳で急逝した。この盤は1983年に当時の手兵スロヴァキア・フィルを振って録音されたもので、この前後に多くの録音を残した。当時からコシュラーに思い入れがあったわけではなく、この盤も以前も書いたように、ネットで知遇を得た方からLP盤を格安で箱買いした中に入っていた。

久々に針を落としたのが、音が出るまでもっと貧弱でローカルな雰囲気の演奏かと勝手に想像していた。しかし41番の出だしが恰幅よく響いてきたのに少々驚き、勝手な想像は見事に外れた。まず急がずもたれずのテンポがいい。そしてフレーズの描き出しが明確だ。埋もれがちになる中声部がクリアに聴こえてくる。録音というよりはコシュラーが意図的にコントロールしているに違いない。ちょっとした木管の経過句や対旋律に気付かされ、こんなフレーズがあったのかと身を乗り出してしまった。こうした演奏と比べるとカラヤンの一時期の演奏などはまるで団子状態で、マスの響きだけに終始しているように聴こえてしまう。コシュラーの明晰な音楽作りは、フーガを駆使して各声部が絡み合う終楽章で特に効果をあげ、まったく隙のない演奏に仕上がっている。
25番ト短調もいい演奏だ。コシュラーの解釈はあくまでまとまりのあるシンフォニーとしての音の組み立てを重視している。そしてアクセントやモーツァルトで重要な倚音や係留音の扱いが丁寧かつ明快だ。この曲はもっと悲劇性を強調したりアグレッシブに演奏することは容易な曲だろうが、このコシュラーのバランス感覚は素晴らしい。これをもって中庸という言い方をされるならば、中庸おおいに結構だろう。スロヴァキアフィルは独墺のメジャーオケと比べると少々実力は劣るのかもしれないが、この盤ではそんな馬脚をのぞかせない音でコシュラーの指示に応えている。


コシュラーとスロヴァキアフィルの演奏を探したが、この盤の音源は見つからなかった。
以下は同じモーツァルトのレクイエム冒頭だ。PCの貧弱な音からもコシュラーの明晰な音楽作りはうかがい知ることができる。



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同感!

全く同感です!。高校生のころ、このシリーズで、39S,40Sのカップリング、25S、41Sのカップリングを購入。カセットテープに録音していたのをCDに焼いて鑑賞してます。
チェコのレーベルでいくつかCDが出ていますが、39Sと41Sは見つかりません。

Re: 同感!

一成さん、初めまして。コメントありがとうございます。
メディアが取り上げることはありませんでしたが、コシュラーは実力派の一人だったのでしょうね。たまたまLPで何枚か手持ちがありますが、CDの時代になってからは見かけませんね。手持ちのものではドヴォルザーク交響曲のボックスセットに何枚か入っていました。おそらく今後も単独発売は期待薄でしょう。何か激安ボックスセットあたりに採用されるとか…ちょっと複雑な心境ではありますが。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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