シューリヒト&パリ音楽院管弦楽団 ワグナー管弦楽曲集


六月最初の週末が終わり、明日からまた一週間が始まる日曜の晩。外は少し前から雨が降り出した。ぼちぼち梅雨入りだろうか。明日からの仕事スタートに備えて早めに休もうと思いつつ1枚だけレコードでも聴こうかと思い、前回のワグナーの記事で思い出した少し古い盤を取り出した。


R0012223 (480x480)   R0012226 (480x480)


カール・シューリヒトがパリ音楽院のオケを振ったワグナーアルバム。1954年のモノラル録音。70年代にキングから出ていたロンドンの廉価盤シリーズ中の1枚だ。確か学生時代に買い求めたはずだから、かれこれ三十数年は経過している。収録曲は以下の通り。

1. 楽劇「トリスタンとイゾルデ」~前奏曲
2. 同~愛の死
3. 楽劇「神々の黄昏」~夜明けとジークフリートのラインへの旅
4. 同~ジークフリートの死と葬送行進曲

シューリヒトというと玄人受けはするものの今ひとつ録音に恵まれず、マイナーな存在であることは否めない。実際ぼくの音盤棚にある彼の盤を思い起こしてみても、音質の冴えないコンサートホール盤が何枚かと、ややメージャーなところではウィーンフィルとのブルックナーの8番があるだけだ。そんな中にあってこのモノラル録音のワグナーアルバムも地味な存在かと思われるが、どっこい中々に雄弁かつ押し出しのいい演奏だ。
シューリヒトらしく、すっきりとした造形ともたれないテンポ設定ではあるが、あっさりとしている感じはない。むしろ濃いめの味付けといってよい。ワグナーらしい息の長いフレーズはもちろんだが、その中のいくつか存在する短いモチーフの対しても表情付けがかなり積極的で起伏に富む。また各パートが団子にならず、入りと出が明確だ。モノラル録音ながら、そうした各声部の動きや描き分けが明瞭に聴き取れるのは、録音条件ばかりではなくシューリヒトの指示によるところが大きいだろう。

「トリスタンとイゾルデ」はこの曲に期待し予想する展開を十分に満たしてくれるし、「神々のたそがれ」からの有名なくだりもしかりだ。フルトヴェングラーの熱っぽさや悲劇性、クナッパーツブッシュの巨大な造形、そうした流儀とは異なるアプローチだが、少なくても「地味でマイナー」というシューリヒトに対する接頭語は、この演奏に限ってはまったく当たらない。手元には何枚かのワグナーアルバムがあるが、その中でも個性光る名演奏だ。

↓↓にほんブログ村ランキングに参加中↓↓
↓↓↓↓バナークリックお願いします↓↓↓
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)