ジョン・ウィリアムスの初期録音 日本デヴューアルバム


梅雨の合間の穏やかな日曜日。午後から陽が射してきて少し暑くなった。風も強かったので軽いフェーン現象だったかもしれない。日中、きのうの続きでだらだらとギターと弾いて過ごす。実は2週間ほど前から左手の親指にわずかながら痛みを感じるようになった。普段ほとんど楽器に触れず、週末に突然負荷をかけるのがいけなのかもしれない。用心しよう。


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夕方、風も少し涼しくなったところで1枚だけレコードを聴くことにし、棚を見回していたらこんな盤が見つかった。1963年キングレコード発売のジョン・ウィリアムスのLPだ。収録曲は以下の通り。トローバとポンセという、当時の盤としては中々玄人好みの選曲だろうか。

 ソナチネ、夜想曲、カスティリャ組曲(以上、トローバ)
 ワルツ、主題と変奏・終曲、12の前奏曲(以上、ポンセ)

ジョンというとCBSのイメージがあるが、CBSと契約したのは1964年で、その前の初期の録音はウェストミンスター他から出されている。ジョンのファンサイトにあるディスコグラフィによればこの盤は1961年の録音で、彼の3枚目のアルバムにあたる。このキング盤はおそらく日本での最初のアルバムだろう。数年前長野への出張帰り、駅前の書店で中古レコードフェアが開かれていて数枚を買い求め、出張カバンに詰め込んで持ち帰ったものの1枚だ。このレコードが出た1963年にジョンは初来日している。

クラシックギターを始めた70年代初頭の高校生の頃、ジョンの演奏がすこぶる気に入っていた時期がある。酔っ払ったようなセゴヴィアや妙なアーティキュレーションのイエペスに馴染めなかったのだ。正確無比できっちり型に収まる演奏という印象で、何よりもその正確さが十代にぼくには魅力だった。この盤はジョンの最も初期のものの一つで、セゴヴィアからプリンス・オブ・ギターの名を冠されていた時期だ。今聴くとさぞやつまらない演奏ではないかと予想しながら針を落としたのだが、見事に裏切られた。
トローバもポンセも、無論正確でおよそミステイクなどとは無縁の弾きっぷりだが、けっして味気ないという印象はない。少なくても当時よくあったラテン系奏者の拍節感のない歌いまわしより余程好感が持てる。普遍的なヨーロッパの音楽を感じさせる弾きぶりだ。録音当時の楽器が何だったか、フレタかアグアドか。録音された音は不要なエコーも少なく、ギターの素の音が聴こえてくるのだが、低音もたっぷりとし高音は妙な甘さはなくすっきりしている。当時寵愛を受けていたセゴヴィアからの影響も随所に感じられる。フレーズが切り替わったときの音色変化、和音の弾き方、ちょっとした見得の切り方など、セゴヴィアの録音を彷彿とさせる箇所かいくつかあった。もちろん音色そのものと音楽の拍節感がまったく違うので、全体の印象は対極にあるように感じる。

70年代までのジョンの盤は手元にいくるかあるが、80年代以降はぼく自身がギターから離れていたこともあってよく知らない。どうもあまりいい評判は聞かないのだが…。YouTubeにあったこの音源も再録後のものだろう。きょう聴いた60年代のレコードとは印象が異なる。



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No title

こんばんは
私もギターの頃、左親指が腱鞘炎になりました、たまに根を詰めて練習したのがいけなかったようです。今は左小指の先が、リュートの細い弦にやられて痛むようになってます;
先輩達が絶賛するセゴビアの良さっていうのもわかりませんでした。
J.ウィリアムスはアルベニスの曲集をもっています、コルドバの編曲が好きで。

Re: No title

michaelさん、こんばんは。

> J.ウィリアムスはアルベニスの曲集をもっています、コルドバの編曲が好きで。

コルドバが入っているアルバムは、印象に残る1枚でしたね。コルドバもすごいし、アストリアスも。いささか録音エフェクトが過剰かなと思いもしますが、圧倒的な響きでした。


プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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