カレル・アンチェル&チェコフィル 管弦楽名曲集 vol.2


きょう土曜日も昼間の気温が30℃を越え、湿度感たっぷりの蒸し暑い一日だった。昼前にプリウス号の定期点検のため、国道沿いのディーラーへ。乗り始めてから5年半。ほとんど通勤時の往復だけ。走行距離はまもなく11万キロになるがいたって好調。このところの平均燃費は1リットル当たり25~26キロだ。買い換える時期でもないしその気ももちろんないが、今が購入タイミングだったら、迷わずプラグインハイブリッドを選ぶだろうなあと思いながら、ショールームにあったプリウスのPHVを眺めていた。EVに比べ制約条件が少ないし、エンジンと電池とシステムが現時点で絶妙にバランスしているように感じる。


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さて夜も更けて、暑気払いに何か聴こうかと思い取り出したのが写真の盤だ。チェコのマエストロ;カレル・アンチェルが手兵;チェコフィルハーモニーを振った管弦楽名曲集。日本コロンビアからスプラファン・ビンテージ・シリーズとして数年前に廉価盤でリリースされた。今はすでに廃盤のようで、アマゾンで検索したら中古品が数倍の値段で売られていて驚いた(試聴もこちら)。今夜聴いたvol.2の収録曲は以下の通り。なおvol.1にはロシア物が収録されている。

1. 歌劇≪魔笛≫ 序曲 K.620
2. 序曲≪ローマの謝肉祭≫ 作品9
3. 舞踏への勧誘 作品65
4. 交響詩≪前奏曲≫ S.97
5. 歌劇≪ウィリアム・テル≫ 序曲
6. 交響詩≪ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら≫
7. 歌劇≪ローエングリン≫~第1幕への前奏曲

この手の名曲集の聴きどころは、もちろんの名曲として名高いオーケストラピースをまとめて聴けるということが第一だが、もう一つ、指揮者とそのオケがそうした名曲をどう料理するかという点だろう。この盤に聴くアンチェルの楽曲に対するアプローチや解釈は実に明快だ。ひと言でいうとどうだろう、ビールのCMのようだが『キレのよさ』だろうか。19世紀独墺系指揮者のロマンティシズムに根ざしたようなイメージとは正反対といっていい。冒頭の魔笛序曲の数小節を聴いただけで、そのキレのよさは十分にわかる。トゥッティのアインザッツに曖昧なところがなく、スパッと竹を割ったように響く。付点音符の扱いも、旗の長い方の音符をやや短めに切り上げ、同時に旗の短い方の音価も少し切り詰めリズム感をはっきり出そうという意図がわかる。魔笛は主部に入っても速めのテンポで前へ前へと進む。だが不思議なことに、一部の若手指揮者にときどきあるように音楽が前のめりになる感じはしない。速度は速いが安定しているのだろう。ローマの謝肉祭も速めのテンポながらラテン系指揮者にあるような上っ面だけの華々しさとは次元を異にする。一方で、交響詩≪前奏曲≫や歌劇≪ウィリアム・テル≫序曲、ローエングリンなどでは深いドイツの響きともいうべき要素も十分に感じさせる。R・シュトラウスのティルも間然するところがない。この盤が録音された60年代前半のチェコフィルのアンサンブルや音質も正に黄金期だろうか。アンチェルのキレのいい筋肉質の解釈にぴたりと寄り添い、素晴らしい演奏を展開していてまったく飽きさせない。

自分以外の家族が全員アウシュビッツに送られたという悲劇を背負っているアンチェル。1968年のプラハの春を契機に晩年はカナダに移り住んでトロントのオケを振ったりもしたが、この盤を録音した60年代前半がもっとも幸福な時期だった。

この盤の魔笛序曲の音源


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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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