マイ・ギター <その4> 西野春平2007年製作

きょう文化の日は久々にすっきりと晴れた。ただ冬型の気圧配置のため、北西の季節風が強かった。上州名物の空っ風だ。この時期から吹き始め、春先まで続く。群馬と新潟の県境の山に雪を降ろしたあと、乾燥した風になって関東平野に吹き降ろすのだ。県境の山々の中には遭難死者が多いことで有名な谷川岳があり、その下を「国境の長いトンネル」が貫いている。そのトンネルを抜けるとそこは「雪国」だ。群馬というと山や雪を思い浮かべる人が多いらしく、仕事の関係で、東京から初めて当地を訪れる人に「雪は大丈夫ですか」と何度か聞かれたことがある。群馬県南部に限ってはほとんど埼玉や東京と同じ天気のことが多く、雪も滅多に降らない。空っ風が吹き、内陸性気候で朝晩は冷え込む当地であるが、昼間は日照に恵まれ、部屋の中ではポカポカと暖かい。
職場の同僚達はきょうはゴルフコンペだそうだ。Indoor派のぼくは、「クラブハウスで控えのキャディさんと、サンドイッチをつまみながらトランプでもして遊んでいられるなら参加したい。」と申し出たが、最後まで話を聞いてもらえず、残念ながら不参加とした(^^;。そんなわけで、きょうは昼前後にちょと出かけた以外は、秋の陽射しが差し込む部屋でギターを弾いて、のんびり過ごした。


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さて写真のギターは3年前に手に入れた西野春平さんのギターだ。西野さんの製作歴は40年になるが、近年はハウザー1世をモデルとしたギターを作っている。ご覧の写真通り、ハウザーの特徴的なデザインである肩がちょっと張った形でそれと分かる。ハウザーモデルということから想像するのとは違い、音はかなりゆったりした響きだ。ハウザーというと引き締まってスッキリしたイメージがあるが、それとは違う。あくまで西野さんの好みが反映されている。ウルフトーンはF#からGあたりに設定されているが程々に抑えられていて、以前田邊ギターの記事で話題にしたウルフトーンのオクターブ上、すなわち5弦の7フレットから上の音のツマリも目立たない。高音域もよく鳴る。張りも柔らかく、総じて軽いタッチでも音が出し易い。ネック形状とも相まってとても弾き易い楽器だ。
この楽器は2007年7月に注文し、9月に出来上がった。所沢の工房までお邪魔して同クラス4本の中から選んだのだが、4本ともほとんど同じ印象で、バラつきはなかった。表板は松(イングルマン・スプルース)、横裏板はいわゆるニューハカランダ、多分ホンジュラスローズウッドだろう。20フレットまであって、「森に夢見て」が弾けますよと言われたが、まだ20フレットを使う曲にはトライするにいたってない。


われわれ世代にはバッハ弾きとして有名なギタリストの田部井辰雄さんが、YouTubeに沢山の演奏をアップしているが、その演奏には自身の愛器としてハウザー1世1937製と並んで、西野ギターが使われている。西野さんに「田部井さんの楽器は特別仕様?」と聞いたところ、「いや、普通に作っている松・ローズの40号ですよ。」とのことだった。ここでは、、西野ギターの新作でバッハを弾いている動画を貼っておこう。




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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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