前橋汀子 メンデルスゾーン・バイオリン協奏曲

冬型気圧配置になると、当地群馬県南部は雲一つない快晴となり、朝晩は放射冷却で冷え込む。今朝も出かけるときのプリウスの温度計には7℃と出ていた。秋らしい日が少ないままもう初冬の趣だ。空気も随分と乾燥していて、木材で出来ているギターは要注意である。ギターにとっては湿度を50%程度に保つのが理想だが、この時期はときに30%以下まで下がる。そういう日が続くと、表板や裏板にひび割れが生じたり、指板の黒檀が収縮して金属製のフレットが指板からほんの少し出てくることがある。暖房機の前でギターを弾くなどもってのほか。冬を通してギターの管理には注意が必要だ。

乾燥が影響するものの一つに、レコードプレイヤーのコンディションもある。プレイヤー本体のモーターやアームへの影響もあるが、もっとも深刻なのはカートリッジ針先の問題だ。冬場になって乾燥すると、レコード盤の表面も静電気を帯びやすくなる。静電気を帯びた状態でカートリッジを降ろすと、針先と盤の接触が不安定になって、レコードの溝を針がトレース出来なくなることが往々にしてある。その結果、音が飛んだり歪んだりするのだ。ぼくの使っているカートリッジはいずれも針圧を多めにかけるモデルだが、これからの時期は更に針圧を増やすようししている。具体的には、夏場は2g程度の針圧を、冬場は3g程度まで増やす。針圧を上げると盤に傷が付いたり、盤が磨り減ったりを感じるだろうが、針圧を2gから3gに増やした程度ではまったく心配は要らない。むしろ針圧を軽くしてトレースが不安定になって、針飛びしたりする方が余程ダメージが大きい。


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さて、きょう11月4日はメンデルスゾーンの命日だそうだ。少し前に彼の交響曲第3番「スコットランド」の記事を書いたが、今夜は彼の作品で最もよく知られているバイオリン協奏曲に針を落とそう。ハイフェッツ・スターン・グリュミオー・諏訪内晶子・ムローヴァ・オークレールなどの盤が手元にあるが、今夜は前橋汀子のLPを取り出した。1984年スイスでの録音、エッシェンバッハの指揮でチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団が伴奏を付けている。当時彼女は40歳になったばかりで、心技体とてもよい状況だった頃だ。素晴らしい音響で知られる名門ホール;チューリッヒ・トーンハレの響きも加わり、最近の若い世代にはない濃厚で深い音色が心行くまで堪能できる名盤だ。ぼくは彼女の弾くメンデルゾーンを80年代の前半にコンサートで聴いている。凛としたステージ上の美しい姿と、たっぷりとしたボーイングから放たれるロマンあふれるメンデルスゾーンの旋律に、しばし時を忘れた覚えがある。

それにしても、篠山紀信撮影のジャケットに写る彼女の美しさはいかばかりか。あのショーケンとの中が噂されて週刊誌を賑やかしたのも、この盤が録音された頃だった。あれから25年、今も彼女は第一線のコンサートバイオリニストとして活躍している。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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