アラジンストーブ チャイコフスキー

きょう土曜日も終日穏やかな好天に恵まれた。それでも陽が落ちると途端に気温が下がってきて、少し早いかなと思ったが、夜、押入れからストーブを出してきた。最近はエアコンの暖房能力も上がってきたので夏と同じにエアコンONでもいいのだが、送風音がやかましい。以前はガスのファンヒータを使っていたこともあった。スイッチを入れるとすぐに暖かくなり重宝したが、やはりファンの音がうるさくて使うのを止め、結局音の出ない昔ながらの石油ストーブに戻った。

アラジンストーブ


ご覧のアラジンストーブは2004年に買った。ぼくが小学生だった頃(東京オリンピックが小学校4年のときだった)、時折りお邪魔していた隣の家の居間に、このアラジンストーブが置いてあった。青い炎とアラジンという名前はそのときに覚えた。当時はまだ英国からの輸入品であったアラジンを使っていた位だから、随分とハイカラだったのだろう。その後アラジンストーブは身売りを繰り返し、しかし日本では根強い人気もあって、現在は日本の某メーカーが生産を継続している。秋口になるとホームセンターに石油ストーブやファンヒータが並ぶが、どれも無粋なデザインばかりだ。このアラジンは、そういう製品と比較すると少々値は張るが、どんな部屋に置いてもサマになる。値が張るといっても桁が違うわけでもない。10年、20年と芯交換を続けて愛用できることを考えると、悪くない買い物だ。冷え込む秋の晩はアラジンに灯を点け、チャイコフスキーの交響曲を絞り気味のボリュームで聴こうか。ストーブの上にホーローのポットをのせる。コトコトと湯の沸く音と、レコードの針音がシンクロする。…と、相当にキザな光景だが、このストーブ一つでそんな気分になる。


マゼール・ベルリンフィル チィコフスキー第4番


写真の盤は70年代初頭にグラモフォンの廉価盤レーベル;ヘリオドールのシリーズで出ていた盤だ。ぼくの世代にファンには懐かしいジャケットデザインだろう。1960年にロリン・マゼールがベルリンフィルを振ったチャイコフスキーの4番。これはマゼールのベルリンフィルへのデビューであったと何かで読んだ。この盤では若き天才マゼールが速めのテンポで颯爽と曲を進める。そしてそれに応えるベルリンフィルが素晴らしいサウンドを展開する。この盤のベルリンフィルはともかくべらぼうに巧い。押し出しのいい金管のファンファーレ、一糸乱れぬ弦のアンサンブル、そして全体を支配するややほの暗い音色。カラヤンに飼いならされる前の、かつてのベルリンフィルの響きが残っているのだ。

この盤を買ったのはぼくが高校3年のときだ。受験が終わったら思い切り聴いてやるぞと思いながら、アラジンではない国産のときどきススの出る調子の悪いストーブで暖を取りながら机に向かっていたのを思い出す。あれから40年。受験もとうの昔に終わり記憶の彼方だ。受験だけでなく、いろんなことが始まり、そして終わった。この盤だけが当時の思い出そのままに、何も変わらずに懐かしい針音を聴かせてくれる。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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