ジネット・ヌヴー ブラームス ヴァイオリン協奏曲


今週は月水金と5時過ぎ夜の部が続き、下戸のぼくもいささか疲労困ぱい。昨日金曜の晩も9時過ぎに帰宅後、今週も終了!と掛け声とともにソファに腰掛けた途端に撃沈・爆睡。気付けば日付変ってすでに丑三つ時も通り越し、早起きオジサンは元気に目を覚ましそうな時間になっていた。まあ、グータラ人間には相応しい成り行きか…。気を取り直してシャワーを浴び、安直にインスタントコーヒーを淹れて目を覚ました。今週は諏訪根自子、アンディ・ウィリアムス、玉川スミ!と訃報が相次いだ。季節の変わり目というほどのこともなく偶然だろうが、いずれも<昭和>の看板を背負った、幾ばくかの想い出がある人たちばかりだ。そんなこともあって、ちょっと古い録音が聴くたくなり、こんな盤を取り出した。


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ジネット・ヌヴーのヴァイオリンによるブラームスの協奏曲。ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮北ドイツ放送交響楽団が伴奏付けている。1948年5月ハンブルグでのライヴ録音。1919年生まれのヌヴーが30歳になる直前の録音ということになる。この録音の1年後1949年10月、アメリカへの演奏旅行に向かうために乗り込んだ飛行機が途中アゾレス諸島沖墜落。30歳の短い命を閉じた。この録音は後年見つかったライヴ録音で、1946年にセッション録音された同曲もある中、彼女の演奏を代表する名盤として今も聴き継がれている。

実際このブラームスは素晴らしい。11歳でパリ音楽院に入り、わずか8ヶ月で卒業したという天賦の才を持つ彼女のヴァイオリンはもちろん非の打ちどころがないし、伴奏を付けるイッセルシュテットも、ブラームスはかくあってほしいというイメージをことごとく実現していく。第1楽章冒頭、ヴァイオリンが入ってくるまでのオーケストラパートの演奏からして、まるでブラームスの5番目の交響曲かと思わせる充実した響きだ。出だしはかなりゆったりとしてテンポで入るが、すぐにややテンポを上げ、以降は引き締まった造形ときっちりと整ったアンサンブルを展開する。第2楽章のアダージョも甘くならず緊張感をもって切々と歌う。第3楽章はこの曲ではもっとも扱いが難しい楽章だろうか。下手をすると賑やかなだけのドンチャン騒ぎになりかねない。もちろんこの盤の演奏はそんな懸念をよそに、ラプソディックなエネルギーとブラームスらしい渋さとを両立していて、申し分ない演奏に仕上がっている。
1948年のモノラル・ライヴ録音ではあるが、ソロとオケのバランス、ホールトーン等、決して悪くなく、ジネット・ヌヴーの素晴らしさを実感できる名盤だ。先日亡くなった諏訪根自子と同じ世代、存命であれば、その後数々の名盤を残してくれたであろう。


この盤の音源



ショーソン<詩曲>の一部。貴重な動画だ。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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