ギターの手入れ 私的方法


ようやくというか、いきなりというか、先週末あたりから本格的に秋がやってきた。つい先日まで真夏日だ夏日だと言っていたのが嘘のようだ。特に夕方、陽が落ちる頃の光景は秋を実感する。日没時刻は早くなり、気温も一気に下がる。澄んだ西の空が赤く染まることも多い。三連休も好天に恵まれたが、出不精のぼくは相変わらずステイ・ホーム。ギターの甲羅干しに続き、きのうは一部のギターの弦張替えとクリーニングを済ませた。以下はぼくのやり方の紹介。あくまでごく個人的な方法と考え。他の愛好家にお薦めするものではありません。


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弦を外した際には楽器全体をクリーニングする。シリコンクロスやセーム革、マイクロファイバークロスなどで日頃から拭いていれば、それほど酷い汚れは付いていないだろうが、弦を外した際にはより細かなところまで拭く。河野ギター製作所の指南では、通常はシリコンクロス等で乾拭きし、汚れがひどい場合は水に濡らして固く絞ったタオルで拭いたあと乾拭きするのがよいとしている。あながち間違いではないし河野ギターのカシュー塗装ではそれが適切なのだろうが、塗装仕様によっては水分は避けたほうがいい。特にセラック塗装の場合は要注意だ。
ぼくの手元には複数の塗装仕様(ウレタン、ラッカー、セラック)のギターがあるので、汚れ落としと艶出し用に塗装仕様に関わらず使えるカルナバワックスを使っている。少量を塗り広げて白く乾いたら拭き取る。車のワックスがけと同じ手順だ。拭き取りにはグラス磨き用のマイクロファイバークロスを使っている。百均にあるマイクロファイバークロスでも効果は同じだろう。
皮脂が付きやすい指板はレモンオイルで汚れを落とし、ついでにフレットも手入れする。一般のフレットは洋銀製なので銀製品磨き用のコンパウンド入りクロスを使うと光沢がよみがえる。フレットを磨く際に指板をこすらないように最近写真ような道具を手に入れて便利に使っている。学生時代の製図の授業で使った字消し板のような金属製のもので、フレット間隔に合せて2枚セットで市販されている。指板部分をマスキングテープで覆ってももちろん構わない。


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ナットやブリッジも外して溝をきれいにして元に戻す。滅多にないが牛骨や象牙で出来ているナットやブリッジに割れやヒビがないかも確認する。写真はぼくの田邊雅啓作のギターだが、ナット・ブリッジとも左右(弦の低音側と高音側)でわずかに寸法差(テーパー)が付けられていて、溝に横から差し込んでぴたりと収まるように作られている。ギターの内部のホコリも取る。ぼくの方法はこうだ。ハンドタオルを軽く濡らしてよく絞り、それをサウンドホールから胴の中に放り込む。その状態で周囲に気を付けながら胴の中でハンドタオルが踊るように楽器を軽く振る。これで内部のホコリがタオルについてくる。サウンドホールから注意深く手を入れて直接拭き取るのも有効だが、くれぐれも内部の力木や構造体に過度な力を加えないよう注意する。


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クリーニングが終ったら弦を張る前に楽器の横裏板を軽くノックし、異音がないか確認する。表板も注意して軽くタップする。コーン・ポーンと澄んだ音がすれば問題ないが、濁った音やグズッといった音がするようだと板にひびが入っていたり力木や構造体の接着はがれの可能性がある。こうした際には修理が必要だ。異音がなければ弦を張る。ブリッジ側の処理、写真の左は通常のワンホールでの例、右はスリーホールでの処理。左の例は最近試している処理方法。高音弦の抜け防止になるほどではないだろうが、余った弦の尻尾がいたずらして雑音が出るのを防ぐ程度の効果はあるだろう

大切な楽器だから丁寧に扱い、適切にメンテナンスするのが本来だと思うが、<丁寧さ><適切さ>の個人差は意外に大きい。ある大学のマンドリン部の演奏会で、ステージに登場する団員がギターのサウンドホールに手を入れて楽器をぶら下げて出てきたのには驚いた。同じステージで予備楽器が団員の足元のむき出しで置かれていて、危ないなあと思っていたら案の定、出入りする団員が足に引っ掛けてステージ上に転がった。これは極端な例だが、楽器の汚れや不調を気に留めない人も多い。簡単に出来るクリーニングやメンテナンスは必ずやるべきだし、楽器に汚れや故障があれば出来るだけ早く現状回復してあげるべきだ。そのままにしておくのは泣きべそをかいている愛する彼女をそのまま放置するのに近く可哀想だ。弾いて出来るキズはよいとしても、何もせずにブリッジ周辺や弦の下にホコリが付いたままになっていたり、指板にべっとりと汚れが付着している様は見るにたえない。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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