クナッパーツブッシュのワグナー


恐縮ながら、またまた天気の話で始めよう。年寄りなので仕方ない。
きょう11月9日夕方の天気図を見ると北海道付近に発達した低気圧があって、日本の北半分は等圧線が混み合った状態になっている。当地群馬も昼間気圧の谷が通過する前後に、短時間だが強い風が吹いた。明日の朝にかけてこの気圧の谷が抜け、日本全体が西高東低の冬型気圧配置になって、明朝は冷え込む予想だ。勤務先の構内には中々立派な欅と銀杏の並木があって、このところ一気に色付き始めている。この調子でいくと多分1週間ほどで錦秋に染まり、そして風雨の強い日があった翌日に一気に葉を落として晩秋の装いとなる。ウィンター・ラブのぼくにとっては、この11月から12月にかけての季節は、木々が葉を落とし、日々気温が下がり、乾燥した青空が広がる、一年で一番わくわくする時期だ。朝刊の天気欄で、西高東低の天気図が見るだけでヨッシャと叫びたくなるほどだ。


クナッパーツブッシュ・ミュンヘンフィルのワグナー集


さて今夜は昨晩書いた通り、ドイツ西部のヴッパータール出身の指揮者ハンス・クナッパーツブッシュが晩年ミュンヘンフィルを振って録音したワグナーのアルバムを引っ張りだそう。合わせて今夜は本棚からマイスタージンガー前奏曲とタンホイザー序曲のポケットスコアも持ってきてみた。たまにはスコアを眺めながら聴くのも面白い。多分学生時代に書き込んだのだろう、赤鉛筆でアインザッツや主要なフレーズにマークが付いている。(懐かしいなあ…)
ワグナー振りとしてつとに有名な彼を聴くには本来、ワグナーの楽劇全曲盤を聴くべきという向きもいるだろうが、序曲や前奏曲だけのこの盤だけ聴いても、彼が如何に図抜けた音楽家であったか十分にわかる。この盤を買ったのはもう30年以上前の学生の頃だが、当時からすでに耳にタコができるほど聴いていたマイスタージンガー前奏曲やタンホイザー序曲をこのクナーッパーツブッシュの盤で聴いたとき、それこそ腰が抜けるほどの衝撃を覚えたものだ。

例えばマイスタージンガー前奏曲では、出だしのテーマこそ、さりげなく提示されるのだが、そのあと曲が展開して盛り上がり、音の構成が厚くなるに従い、どんどんテンポを落としていき、その度に音楽が巨大になっていく。同時に各パートの音の絡みが実に明快に描き出され、ワグナーの書いた複雑なスコアの骨格とその組立てが実によくわかる。タンホイザーも同様だ。そして息の長いフレージングとクレシェンド。自分も曲に合わせて拍子を取ってみるのだが、クナの息の長いフレージングのタイミングまで待てずに、いつも先に次の拍に入ってしまうほどだ。
この盤に収められている他の曲、トリスタンとイゾルデ、リエンチ序曲、ジークフリート牧歌、いずれもクナッパーツブッシュの至芸が堪能できる。願わくばオケがミュンヘンフィルでなくウィーンフィルであったらと思うが仕方ない。そこはウィーンフィルと録音したワルキューレ第1幕の盤で渇きを癒すことにしよう。


下の写真左は、ウィーンフィルとのワルキューレ第1幕のレコード。本来ニーベルンクの指輪全曲録音に進む計画であったが、クナの死で頓挫。その後、ショルティがその計画を引き継ぎ、ウィーンフィルとの全曲盤を完成させたと言われている。写真右はマイスタージンガーのポケットスコア。表紙裏にKOGA BOOK STOREの文字が見える。神田神保町の音楽専門の古書店;古賀書店のブックマークだ。これも懐かしい。

クナッパーツブッシュ・ウィーンフィルのワルキューレ第1幕  マイスタージンガーのポケットスコア

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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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