気象通報

当地群馬県南部は今週になってずっと好天が続いている。冬型気圧配置が安定しているためだ。それでもまだ寒さは差ほどでもなく、昼間は暖かい。これから北半球全体の温度が下がってくると、シベリア生まれの寒気団も強力になって日本まで南下してくる。それまで年内はまだ冬の前哨戦という感じが続く。

さてブログ記事のマクラにいつも天気の話が出てきて閉口する向きもあるだろうが、これには少々わけがある。その昔、さかのぼること小学校4年東京オリンピックの年、初めて鉱石ラジオなるものを作った。その後、少年向けの雑誌の見よう見まねで、真空管3本を使った3球ラジオ(三球・照代にあらず)を組み立てる。このラジオで最初に聴いたのが「気象通報」だった。1日3回NHKラジオ第2で気象通報が放送される。当時も今も、関東をカバーするNHK東京は第2放送の方が出力が大きく、感度の悪いラジオでも良好に聴こえるのは第2放送の方だった。各地の気象データが、沖縄の那覇から始まり日本本土を北進。樺太からロシア極東地区、韓国、中国、東南アジアと回って、父島・南鳥島から最後は日本本土に戻って富士山で終わる。そのあと海上船舶からの報告がある。小学校高学年になった頃、天気図用紙というものがあって、放送を聴きながらそれに書き込んで天気図を作成させることを覚えた。そんなことがきっかけで、ぼくの脳ミソの端っこに天気図がすり込まれているというわけだ。

若い頃はよく山歩きに出かけた。山小屋やテントに泊まったときは、携帯型ラジオで気象通報を聴き翌日の天気を予想したものだが、その後山にも行かなくなり聴く機会はめっきり減った。それでもときどき帰宅したあと、夜10時の放送にダイヤルを合わせることがある。昔と変わらないNHKのアナウンサーらしいトーンで淡々と気象データが読み上げられる。アナウンサーによって中々個性があって20分間の放送を飽きずに聴いてしまうこともある。しばらく前のこと、NHKアナウンサーだった広瀬修子さんが気象通報を担当していた時期があった。広瀬さんの読み上げる気象通報は、穏やかで落ち着いたトーンと暖かみのある口跡で、思わず聴き入ってしまった。気象通報というより、現代散文詩を朗読しているかのようだった。ラジオから流れる気象通報も、ぼくにとっては音楽を聴くのとほとんど変わらない行為だ。また90年代に入ってからはロシア域内の地名呼称も昔と変わった。シスカ(敷香)がポロナイスクに、マツワ島(松輪島)がセベロクリリスクに、テチューヘがルドナヤプリスタニにといった具合に変化して、時の流れも実感する。


気象通報 NHK東京第2放送 693KHz on Kenwood R-K700


今夜久々に夜10時の気象通報にダイヤルを合せてみた。NHK東京第2放送693KHz。ナミサンラジオはもちろん今はないが、ラジオ放送そのものの原理が変わったわけではない。今風のラジオで聴く放送も昔と変わらないトーンで淡々と気象データを読み上げている。あるいは、現代風にアレンジされた並3型ラジオのこんなキットを組み立ててみてはどうだろう。少年時代を思い出し、感涙にむせぶこと請け合いだ。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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