メルヴィン・タン ベートーヴェン ピアノ協奏曲集


けさ7時、通勤プリウス号の温度計は2℃。当地北関東群馬周辺はこの秋一番の冷え込みとなった。北海道は送電線が倒れるほどの吹雪とか。しかも停電が続いているという。停電といっても厳寒の北海道では単に電灯がつかない、寒いといったレベルでは済まない。室内温度もあっという間に氷点下となり命にかかわる緊急事態だ。通過中の強大な低気圧が早く通り抜け天候回復するといいが。
さてこのところ通勤車中では例のノリントン&LCPによる激安ボックスセットを引続き聴いている。今週は交響曲ではなく、メルヴィン・タンがフォルテピアノを弾いたピアノ協奏曲の盤をカーステレオにセットした。


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きょうはベートーヴェンのピアノ協奏曲の中でも取り分け好きな第3番と第4番を聴いた。カーステレオの貧弱な音響で聴いても、ピリオド・オケのノリントン&LCPのバックで聴くフォルテピアノはとても新鮮だ。スタインウェイのフルコンサートが大排気量のスーパーサルーンとすれば、この盤で聴くフォルテピアノは小排気量ながらキビキビ走る小型スポーツカーをイメージする。おそらく軽いタッチに敏感に反応し、実際の音の立ち上がりも速いのだろう。すべての音が一粒一粒空間に飛び散るように解き放たれる。打弦後のサステインが短いので余計にそう感じる。サステインの短さはディメリットにならない。もともと曲そのものがその当時のフォルテピアノを想定して作られているわけだし、楽器の特性を熟知した当時の作曲家はその特性を十全に発揮するよう音符を並べているに違いない。さらに当時の演奏環境は今のコンサートホールほど大きくデッドではなく十分な残響が得られただろう。音のサステインは部屋の残響が担当したはずだ。こうした演奏を聴くと、むしろ鋼鉄の塊りを力でねじ伏せるような現代のフルコンサートで聴くことの方に違和感を感じてしまう。クラシックギターの世界における20世紀後半以降のモダン楽器と19世紀ギターとの関係に近いものを感じる。

モダンオケとスタインウェイで聴く重厚で強靭な音響は、苦悩と悲劇、闘争と勝利といったような一般的なベートーヴェン像を容易に重なる。一方この盤では、軽快で俊敏な曲想と音響に、音のエネルギーで地面に杭を打ち込むのではなく、空間に音の粒を解き放つようなイメージを持つ。運動性のいいピリオド・オケとフォルテピアノによる演奏はベートーヴェンのイメージさえも変えてしまいそうだ。


ベートーヴェンが使ったというフォルテピアノを復元して弾いている。
ベートーヴェン晩年の作品、六つのバガテルOp.126から後半の3曲。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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