Holly Cole on A-927 & 2S-305

先週末から奥歯の調子悪い。2年前に治療したところがしみるのだ。先週会食で鰻を食べたことを書いたが、実はその席でアクシデントがあった。付出しの肝煮を食べていたとき、その中にたまたま入っていた小石を思い切り噛んでしまったのだ。その場は痛みも瞬間的だったが、翌日になって鈍い痛みを自覚するようになった。そしてそのまた翌日には冷たいものや熱いものがしみるようになった。その治療した奥歯は、しばらく前から時々しみるという自覚があったのだが、先週小石を噛んだ衝撃が追い討ちをかけたようだ。回復の兆しがないので仕方なくいつもの歯医者に予約を入れた。

実は歯だけではない。これは昨日気付いたのだが、右手薬指の第1関節と第2関節の間に、小さな小豆ほどのコブのようなものが出来た。外傷も痛みもなく、皮膚が内側から盛り上がっている。コリコリした感じで皮膚を通してみると少し青く見える。何だろう。素人考えで静脈瘤かと思ったりするが、指のこんなところに出来るものだろうか。 …とまあ、歳を取るといろいろ不都合が出てくる。仕方ないなあ。


2S-305   A-927


そんなこちらの不調をよそに、毎夜妙なる調べを奏でてくれるスピーカー;1978年製三菱電機2S-305は絶好調だ。このところアンプにはオンキヨー製の中級プリメインアンプ;A-927をあてがっているが、どちらかというと柔らかめの音を出す、この無帰還純アナログアンプとの相性も悪くない。今は押入れでスタンバイ状態の300Bや845の真空管アンプを持ち出すまでもなく、滑らかで伸びやかな音を聴かせてくれている。2S-305は以前も書いた通り、NHKの放送局用モニターとして昭和から平成に替わる頃まで、30年の長きに渡って使われた。モニタースピーカーという性格から音の細部を克明に描き出す。人によっては中高音がきついという感想を持つ人もいるが、中高音の立ち上がりの悪い眠たい音のスピーカーは、ぼくは願い下げだ。以前使ったことのある米インフィニティー社のKappa8.2という、見かけは大層立派で美しいスピーカーは、まるで風呂場の奥で鳴っているようだったし、小型スピーカーの定番B&W社の805なども、バスレフチューニングポイント周辺帯域の音が不自然に膨らんで馴染めなかった。


Holly Cole 1992


音楽をBGMと割り切り、何となく部屋に流れていればいいという向きには他にも選択肢があるだろうが、音盤と向き合い、演奏者のリアルな存在感や演奏の意図を聴き取り感じ取るには、軽い紙製ユニットを強力なマグネットで駆動する2S-305の、このパリッとした反応のよい音が必要だ。
例えば、写真のホリー・コールのベストセラーを聴いてみると、ピアノとベースだけのシンプルなバックにのって歌う彼女がまるで目の前にいるかのように聴こえてくる。まさに唇の動きまで分かるほどで、深夜に聴いていると、時に人の気配すら感じてゾクッとするほどだ。この盤は収録曲の「Calling You」がヒットしたこともあって彼女の初期の代表盤となった。手元には最近のアルバムも含めて何枚か彼女の盤があるのだが、この頃の彼女が一番いい。ピアノのアーロン・デイヴィスとベースのダヴィッド・ピルチのミニマムなバックも、彼女のときに深くときに甘い声にぴたりだ。そしてジャケットにある録音データを見るとAADとある。すなわち1992年の完全デジタルの録音システムが出来上がっている時期にもかかわらず、この盤は録音とマスタリングをアナログでやっている。そのこだわりも生きて、録音もすこぶるいい。
本当は出窓にちょこっと載る程度の小型スピーカーで楽しみたいという気持ちもあって、実際トライしたこともあるのだが、結局305に戻ってしまった。いつかは305に対しても引退勧告をするつもりだが、その時期はまだ当分来そうにない。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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