ブラームス聴き比べ
三連休もいつものごとくダラダラと終わって明日から仕事復帰。これでゴールデンウィークまで連休はない。梅の香りに年度末の慌しさ、そして桜の便りと、そんなことで五月までやり過ごそうか…。さてこの連休は寒波再来で思いのほか寒く、最終日も北風MAX。終日部屋の中でボーッと過ごした。先週聴いたブラームスで思い出し、手元の盤を取り出して聴き比べてみたり、メンテナンスに出しているレコードプレイヤーのピンチヒッターを試聴したりと、まあ呑気なことこの上ない。

ところで手元にあるブラームスの交響曲全集、一体何種類あるのかと書き出してみた。以下順不同で…カラヤン/BPO(60年代・70年代)、ベーム/VPO、バーンスタイン/VPO、フルトヴェングラー/BPO他、ワルター/コロンビア響、ヨッフム/ロンドンフィル、クレンペラー/PO、ケンペ/ミュンヘンPO(以上はLP)、ボールト/ロンドン響他、バルビローリ/VPO、セル/クリーブランド、アンチェル/チェコPO、ヴァント/NDR、チェリビダッケ/SWR、ザンデルリング/SKD、シャイー/RCO、インバル/フランクフルト放響、以上18種。この他に各番号の単品が相当数といったところだ。こうしてみるとほとんどが物故した指揮者の演奏。そもそも貧乏学生時代のDNAにより、最新録音のレギュラープライスの盤にはほとんど手を出さない。もっぱら廉価盤生活が長く、いきおいこうした古い録音の盤や昨今のボックスセットが多くなる。先週チェリビダッケとヴァントのCDを聴いたので、きょうはインバル/フランクフルト放響、シャイー/ロイヤルコンセルトヘボウ管、アンチェル/チェコフィル、カラヤン/BPO(70年代)の盤を取り出し、いずれも第2番の第2楽章を聴き比べた。
◇インバル盤…90年代後半の録音。インバルとフランクフルトとの一連の録音はマーラーを筆頭にいずれも録音すこぶる良好。第2楽章は弦楽パートの長いフレーズが各所に出てくるが、抑揚を少し大きく取り、明るめの音でスッキリと歌う。とてもフレッシュで生気に満ちた演奏だ。同時にテンポはやや遅めでスケール感も申し分ない。
◇シャイー盤…こちらは80年代の録音。コンセルヘボウ管の特徴に録音の傾向も加わって、インバル盤にあとに聴くと音色が落ち着いている。まさに燻し銀の趣き。当時まだ30代のシャイー、少々軽めであっさりした解釈だ。
◇アンチェル盤…独墺系オーケストラとは明らかに音色が違う。もちろん録音のポリシーもあるのだろうが、意外にもチェコフィルの音色は明るく明快だ。弦楽群も思い切りのいいボウイングで生き生きと歌う。
◇カラヤン盤…70年代後半のアナログ最終期の録音。さすがにベルリンフィルの音は厚い。そしてレガートで音の隙間を作らないカラヤン流の解釈。ブラームスではなくR・シュトラウスの曲かと思うほどの濃厚な表現だ。60年代の最初のステレオ録音はやや暗い音色で往時のBPOを思わせるが、この70年代録音はより近代的になっていて、賛否が分かれる。
ブラームスの交響曲は4曲。CDなら2枚か3枚に収まる。いずれの曲もそれぞれ充実していて甲乙付けがたい。また指揮者の腕の見せ所も多く、ついつい全集盤が増えてしまう。もっとも、これ以上増やすつもりはなく、手持ちの盤を時に応じて引っ張り出して生涯楽しむつもりだ。…と過去何度も心に誓ったはずなのだが…。
チョン・ミュンフン指揮ソウル・フィルの演奏で第2番第2楽章。冒頭1分間のチェロのフレーズから、緊張と熱気をはらんだカンタービレが続く。まるでマーラーのアダージェットのよう。
同じチョン・ミュンフン指揮でこちらはフランス放送のオケ。編成が大きく18型。チェロ12コンバス10。音も弾きぶりも重心低く、フランスとはいえやはりヨーロッパのオケだ。
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