お手軽レコード再生


愛用しているCEC社製レコードプレイヤー;ST930をメンテナンスに出した。かれこれ十数年使い、特に不具合もなく動いていたが、手の届かないところにホコリが溜まっているのが見えるし、インシュレータのゴム類は経年変化が相応に進んでいるだろう。LINNは分不相応とあきらめ、このCECを今後も使い続けることを決めたのでチェックしてもらうことにした。幸い実際にメンテナンス作業をする拠点は当地群馬県内しかも勤務先の近くにある。十日ほど前、仕事帰りに持ち込んで預けてきた。

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応対してくれた方とひとしきり歓談。このST930、販売店からは30万円以上でも売れるから復活してほしいというのリクエストが今でもあるとのこと。残念ながら主要部品の金型がすでになくターンテーブル本体の再生産は不可。付属のトーンアームは元々JELCOブランド・市川宝石で作られていて、今もSA-250という型番で現役だ。
実際よく出来たプレイヤーで、生産終了間際の90年代終盤に入手して音を出したときの驚きは今も覚えている。SN比のいいクリアで粒立ちのいい音はそれまで聴いたことのないものだった。CEC社は長らく群馬県内に拠点を持つ家電S社の傘下にあって他社ブランド向けや輸出に力を入れていた。今世紀に入ってから完全独立し、その頃からアンプ類やCDプレイヤーなどもラインナップして一般オーディオでのプレゼンスも上がってきた(この辺の事情を現社長が詳しく語っている)。多くの製品が中国生産に切り替わる中、フラグシップのベルトドライブ式CDトランスポートは現在も引続き群馬県内の拠点で生産している。今回メンテナンスをお願いしたぼくのプレイヤーの関しては、「きわめてきれいな状態に保たれているが、すべて分解したのち、スリンドル・軸受け等の洗浄、基板類の半田アップ、ゴム類の油洗浄再生等の措置をする」とのこと。そろそろメンテ完了の連絡が入る頃。帰還が楽しみだ。


さて、以下やっと本題。レコードの話題になると「まだ針は手に入るのか」「プレイヤーがまだ販売されているのか」という質問をよく受ける。答えは簡単。針も手に入るしプレイヤーも1万円以下コースから100万円超までいくらでもある。中古の流通品も多いし、肝心のレコード盤はリサイクルショップのジャンク箱で1枚100円<もってけ泥棒!>状態だ。プレイヤーをメンテに出している留守中の手慰みに、お手軽再生ツールの一つを借用して使ってみた。

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DJ御用達ブランドVESTAX社製のHandyTraxというポータブルプレイヤー。その名の通り持ち運びが出来て電池でも動く。レコード全盛期には似たようなプレイヤーがたくさん出回っていたが、今は数少ない。期待もせずに盤をのせて聴いてみたが、うるさいことを言わなければ十分楽しめる。オーディオ的には低音や高音の上限下限はいさぎよくあきらめている一方、中音域は中々クリアでボーカルなどは案外浸透力がある。手元のデジカメで安直に録音してみたが、こんな感じだ。



ポータブルにこだわらず、手軽にレコードを聴くならオーディオテクニカ製のプレイヤーを手持ちのコンポに接続するのが手っ取り早い。コンポありませ〜ん状態なら、アンプ内蔵のスピーカーから手頃なものを選べばOK。PC用の需要があるためアンプ内蔵の小型スピーカーは多数出回っていて価格も安い。最近フォステクス製のアンプ内蔵スピーカーを聴くチャンスがあったが、マーラーの交響曲が部屋を揺るがすほどのフルボリュームで鳴るのには驚いた。より小型のその姉妹機もPC用を兼ねてデスクトップで聴くにはちょうどいいかもしれない。押入れにしまい込んで塩漬け状態になっているレコードの復活はそれほど面倒ではない。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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