ヴィラ・ロボス 1959年のきょう11月17日没す

きょう11月17日は、ブラジルの現代作曲家ヴィラ・ロボスの命日だそうだ。たまたまネットを見ていて知った。ヴィラ・ロボスはぼくらギター弾きにとっては馴染み深い作曲家だ。多作家であったらしいが、ギターのための曲も「12の練習曲」「5つの前奏曲」「ブラジル民謡組曲」「ギターのための協奏曲」などがあって、いずれもギタリストにとっては重要な練習課題でもあり、コンサートピースでもある。「12の練習曲」「5つの前奏曲」などは、ぼくらが学生時代の70年代には中級~上級アマチュアの必須練習課題であったし、プロのコンサートでもしばしば取り上げられた。


スコティッシュ・ショーロ  ブラジル風バッハ全9曲 ヴィラ・ロボス指揮フランス放送局管弦楽団


写真の楽譜は、「ブラジル民謡組曲-Suite Populaire Bresilienne」の中の1曲、「スコティッシュ・ショーロ」の楽譜だ。裏表紙に1972年5月とぼくの字で記してあった。高校3年の春に手に入れたことになる。今も昔も変わらないパリはマックス・エシック社のシンプルな装丁が懐かしい。たぶん当時のぼくには随分と高い買い物で、このスコティッシュ・ショーロをブリームの演奏で聴いて気に入って手に入れたものだろう。今もときどき広げて弾く曲だ。
もう1つの写真は、ヴィラ・ロボスの多分最も有名な曲であろ作品「ブラジル風バッハ;バッキアーナス・ブラジレイラス」の全9曲を収めたLP盤である。しかもこの盤では、作曲者のヴィラ・ロボス自身がフランス国立放送局管弦楽団を指揮している。この盤の録音は1950年半ばに始まり、1959年に亡くなる直前まで続いた。
彼はピアノやギターをはじめ、オーケストラ楽器のほとんどを演奏出来たといわれ、また世界各地を訪れて自身の作品の多くを自ら演奏、指揮したともいう。中でもフランスをこよなく愛し、フランスのオケとの共演も多かったことから、フランス放送のオケとのこの盤の録音にいたったようだ。また彼の作品が仏マックス・エシック社から出ているのもそんな事情があるらしい。
4枚のLPに収められた全9曲のこのブラジル風バッハの中では、ソプラノとチェロ合奏のための第5番、特にその第1曲アリアが有名だ(この盤ではヴィクトリア・デ・ロスアンヘルスが歌っている)。ギターのための前奏曲第3番に通じる、古風でもあり幻想的でもある曲想が印象的な曲である。他の曲も、いずれも敬愛するバッハへのオマージュでありながら、濃厚な19世紀ロマンティシズムに満ち、同時にブラジル人としてのアイデンティティも強く感じる。一方で、伝統的な西洋クラシカルなものと民族的な要素のとのはざ間にあって、どこか煮え切らない印象もぬぐえない。1,000曲を越える非常の多くの曲を残した彼であるが、現在ではその多くが演奏の日の目を見ていないのも、その辺りに起因するのかもしれない。
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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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