アンヌ・ケフェレック ショパン スケルツォ&即興曲


春日和の土曜日。気温は二十度を超え、昼間の車中ではエアコンの冷房をオンにするほどだった。それだけならのどかな春本番の訪れだが、黄砂や花粉さらにはPM何とやらも飛来して山はかすみ、車はおしろいを叩いたように白くなり、優雅な春とばかり言っていられない。さて夜更けてひと息つく時間。先日聴いたアンヌ・ケフェレックの盤がもう1枚あったので、それを取り出した。


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スカルラッティ、シューベルトに続く彼女の三枚目のレコードはこのショパンのアルバムだった。1975年リリース。彼女がまだ二十代半ばだった頃の録音。日本ではキュートなヴィジュアルも手伝って人気が出だした頃だ。それにしても新人としてのショパンアルバムで、玄人好みのスケルツォと即興曲を選ぶというのは中々渋い選択だ。彼女の意志もあったろうし、取り巻きも単なるスター作りという姿勢ではなかったのだろう。

先日聴いたシューベルトもそうだったが、このショパンも若々しくスッキリとした解釈でとても好感が持てる。スケルツォの演奏は技巧と力を前面に出した演奏になりがちだが、そうした力とエネルギーで押し切るようなところがない。フォルテシモの和音も決して重く濁った響きにはならず、速いスケールなどもインテンポでさらりと弾き切る。ゆっくりとして抒情的なフレーズももたれ過ぎないで進む。こうした解釈はポロネーズやマズルカではやや淡白な印象になるかもしれない。もっとショパンのルーツであるポーランドの土の匂いがほしいと。しかしこの盤のスケルツォや即興曲のように、洗練とインスピレーションをベースにした曲では彼女の資質と解釈をピタリと合っているように感じる。この盤はショパンをフランス側からとらえた演奏と解釈とも言える。70年代仏エラートとのシンプルで上品なジャケットデザインと整った録音もこの演奏に似つかわしい。なお先日聴いたシューベルトの晩ではベーゼンドルファーが使われていたが、この盤では使用ピアノとしてスタインウェイがクレジットされている。


音楽レクチャー。残念ながら仏語は不案内。しかし上品な語り口の彼女の様子から、40年前のデヴュー当時の演奏や物腰も察しが付く。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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