ELAC 310IB 到着
本日午前、注文してあった独ELAC社の310IBが到着。一昨日予告の通り、以下報告いたしましょう…と、その前にひと言。一昨日の記事では触れなかったが、今回のこのELACは中古品である。正しくは中古の出物があるということで注文を入れた上で現物確認という段取り。すなわち販売店に赴いた時点ですでにELACに決めていた。他の機種はついでに聴いてみたに過ぎないというネタばらしであります。


見た目はご覧の通り。小型ながらずっしりと重量感があるアルミ筐体のピアノブラック仕上げ。百均にもありそうな安直なものだが、指紋付着防止用の手袋とマイクロファイバークロスまで付属する念の入れよう。中古ながらキズは底面の多少のスリキズ以外はほとんどないわからない美品。奥行き35センチほどの出窓にセッティング。望ましくはスピーカー後ろの空間をもっと確保すべきところだ。いくつかのCDを用意し、ラックスマンのL-570が十分ヒートアップしたところで音出しとなった。




結論を急ごう。
小型スピーカーのベストセラーELAC;310IndiesBlack、いかがでしたでしょうか。
ブッブー!…
残念ながら、310は現用のリビングミュージック社製S-2Cの前に白旗をあげる結果となった。そんなはずでは…。そう、そんなはずではなかったのだ。つまり、ほとんど無名のショップオリジナルS-2Cなど、ELACの敵ではないと予想していた。しかし、実際は互角を少し通り越して、S-2Cがいろんな面でリードした。あまり書くと差し障りがあるかもしれないので、手短かに記しておこう。まず低音はほぼ互角だった。倍音成分の少ないパイプオルガンの低音が収録されているディスクで確認。ド(65Hz)からシ(62Hz)ラ(55Hz)、ソ(49Hz)、ファ(44Hz)、ミ(41Hz=4弦コントラバスの最低音)、レ(37Hz)、ド(33Hz)まで下降音階が収録さている。両機種ともソまではしっかしレスポンスした。ファで一気に音圧が下がる。それ以下は倍音成分しか聴こえない。310もS-2Cもほぼ同じ。大きさを考えると310は大健闘といえるだろう。参考ながら、放出を決めた2S-305はファ以下もしっかりを聴こえてくる。30センチ・ウーファと180リットルのエンクロージャは伊達ではない。
問題は中高音だった。ELACの売りであるJETツイータのキャラクターなのか、中高音に独自の明るさと響きがあって、そのために楽音に本来ないであろう付帯音のような響きが付いてくる、あるいは楽器の音色がその響きに引っ張られてしまう。例えばピアノで中高音の音階が奏されると、極端な言い方をすると独自の明るい響きがのることで、まるでペダルを踏んで弾いているかのように聴こえる。またチェロやヴァイオリンの音色が中高音成分に引っ張られて、みな同じような音色に聴こえてくる。ヴァイオリンは高音を奏でていても、ごく低いレベルながら中域より下の成分や胴の鳴りがあることで、その音の品位を感じるものだが、そこがスポイルされてしまう。チェロの中音域も同様の印象だ。オーケストラもそうした個々の反応の集合として聴こえてくるので、どこか音に深みが無い。もっとはっきり言ってしまえば<音楽的に鳴らない>のだ。一部の音楽にはこうしたキャラクターがマッチするケースもあるだろう。しかしクラシックに関して、ぼくがイメージするようには鳴ってくれなかった。もちろんエージングやセッティング、アンプの相性など考慮すべきことはあるのは承知だが、それらの問題がクリアになっても、スピーカーのキャラクタそのものが大きく変わることはない。
一方現有のS-2Cは全帯域でそのような色付けがなく、低音から高音まで音色のキャラクターが見事に一致している。広い音域のスケールの途中で音色が変化してしまうこともない。ピアノも弦楽器も品位の高い音が出てくる。はからずも、ELAC310との比較で、このS-2Cがかなり高いレベルの音を奏でていたということが確認できた。
結局<あかん>という結論なのだが、こうしたリスクは一応織り込み済みである。中古品を買った理由はそこにある。もし意に添わないときには早めに中古品として売却すれば、多少のロスはあっても、ほぼ購入価格並で処分できる。新品を中古化するのに比べればはるかに低リスクだ。たまたま今回の販売店は地元の店ではなかったので、事前に「自宅で試聴して、よかったら買うよ」という交渉をしなかったが、店によってはそうした相談にも応じてくれるだろう。
…というこで、ELAC万歳!という結論には至らず、何とも冴えない報告になってしまったことを我ながら残念に思う。…で、その310の去就にはついては、また別途。
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