ライナー&CSO ロッシーニ序曲集

30℃超えでソコソコ暑い日曜日。夕方5時過ぎに夕立有り。上州名物「かかあ天下と空っ風」ということになっているが、北部に山岳地帯を持つ当地では夏の夕立・雷の頻度も断然多い。ひと雨あったあとは、一気に気温が下がりホッとする。 さて、昨晩聴いたアバドのロッシーニで少しスカッとして、今夜もスカッとのおかわりということで、この盤を取り出した。


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フリッツ・ライナー&CSOによるロッシーニ序曲集。1958年録音。手持の盤は数年前に店先で叩き売られていた輸入盤。収録曲は以下の通り。

 ・『セヴィリャの理髪師』(イギリスの女王エリザベス)序曲
 ・『どろぼうかささぎ』序曲
 ・『チェネレントラ』(シンデレラ)序曲
 ・『ブルスキーノ氏』序曲
 ・『絹のはしご』序曲
 ・『ウィリアム・テル』序曲

先日新聞で、かつて反映を極めた自動車産業の町、デトロイトの凋落ぶりが報道されていた。とっさに思ったのはデトロイト交響楽団のこと。アメリカのオーケストラはいずれもぞれぞれの町に根付いている。デトロイト、ボストン、ニューヨーク、クリーヴランド、ユタ…町の繁栄をバックにオーケストラも発展した。やはり自動車産業の町シカゴのオケ、CSO:シカゴ交響楽団もそんな楽団の一つだ。フリッツ・ライナーはCSOの第1期黄金期の立役者。多くの優れた録音を残し、そのいずれもが鍛え上げられた鉄壁のアンサンブルと無二のパワーを併せ持つ名演揃いだ。このロッシーニの序曲集も全盛期のCSOが堪能出来る1枚。
そもそもベートーヴェンなら少々技量に不安があるオケの演奏でも音楽になる。アマチュアオケや学生オケでもベートーヴェンは何とか聴ける。音楽の底辺にあるメンタルな要素で音楽の半分は成立するからだ。しかしロッシーニの序曲を技量未熟なオケがやっては楽しむべきところはなくなる。こういう曲こそ、うまいオケの演奏を理屈抜きに楽しみたい。華やかに鳴るトゥッティ、技巧を凝らしたパッセージ、美しいメロディ、そして一気呵成のロッシーニクレッシェンド…。人生哲学、苦悩や勝利を考える間もなくロッシーニの音楽は突き進む。ライナー&CSO盤はそんなロッシーニの魅力を、大真面目かつ圧倒的な力で繰り広げる。見るからに怖そうなライナーは、その様相通り仏頂面で指揮棒を振り下ろし、団員もニコリともせずそれに応える。その真剣さと真面目さゆえに、却ってちょっとしたルバートに遊びや洒脱を感じる。いずれの曲もCSOは芯のある強靭な音と鉄壁のアンサンブル。金管群のパワーはもちろん、木管群も上手い。弦楽群はどんな細かなパッセージもピタリと合っているし、カンタービレはまるで一本の絹糸のようにピッチが揃う。どの曲も実に立派で構えが大きく、まるでシンフォニーのようだ。この盤にはお気に入りの「泥棒かささぎ」も入っていて、その序奏だけでも鳥肌ものの演奏。「ウィリアム・テル」の終曲では激しくドライブをかけるライナーに、さしものCSOも性能限界ギリギリの勝負で応えている。アバドのしなやかで歌心あふれた明瞭な演奏も魅力だが、このライナー盤の真剣勝負のロッシーニも捨てがたい1枚だ。


この盤の音源で「ウィリアム・テル」序曲。終曲、特に最後の1分間のエキサイティングな追い込みは、まるでライヴの様。



町の凋落で心配なデトロイト響(指揮レナード・スラトキン)の演奏で「ウィリアム・テル」。冒頭2分40秒過ぎまで、ウェーバー顔負けのチェロはいつ聴いても美しい。



<花のワルツ>をこんなに仏頂面で振る指揮者は今どきいないだろう。
http://youtu.be/mgaS9CZ7KsQ

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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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